誰一人取り残さないデジタル化ってどうよ

2023/7/2作成

デジタル庁が「誰一人取り残さないデジタル化」を掲げています。これ自体は立派なことだとは思うんですが、一方で現実的ではないよなぁというように思ったりもしますので、それについて少し書きます。

直近で言えば住所のデジタル化で河野大臣が炎上してましたよね。実際、住所のデジタル化って難易度高いんですよ。その辺のことは日本の住所がやばいに書きましたか。誰一人取り残さないデジタル化をするには、住所の全てをデジタル化しないといけません。でもそれは非常に困難です。

消えた年金問題の時にも「最後に一人までチェックします」と言っていました。政治的発言としてそう言わざるを得ないだろうなというのはよくわかります。分からない分については諦めますなんて発言してたら、それだけで国会が何日空転したかわかりません。デジタル庁にしても「9割の国民をデジタル化するけれど、残りの1割は取り残します」なんて言ったら、デジタル庁解体されちゃいますよね。なので政治的に全ての国民を対象にしますと言わざるを得ないのはわかりますが、一方でその難易度は非常に高い。

デジタル化の目的は様々ありますが、一つには業務の効率化があります。DXって奴ですね。100%デジタル化されると効率がもっとも良くなるので理想なんですが、一方で100%デジタル化するために膨大なコストをかけるのだったら、その損益分岐点はどこにあるんだろうというのは当然に考えられることとです。9割だけデジタル化して、残りの1割は紙の処理を残すことが現代の技術ではもっともバランスが取れているというようなことはあり得るだろうなぁということですね。今後の技術の進歩によって、残りの1割も徐々にデジタル化が進みますし、何年か後には無事に100%のデジタル化が達成できると思うんですよ。地球市民コードはApple IDかGoogleアカウントでいいんじゃね?で書いたようなことですね。民間ならそういう対応が可能なんだけど、行政の場合はそうはいかないんだよなぁと考えると、お役人さんというのもなかなか大変なお仕事だなぁと思ったりもします。