ここ最近、毎日のようにというか実際に毎日マンガ図書館Zを利用しています。利用を始めて2週間ほど経ったので、ここらで一旦感じたことをまとめてみようと思います。
そもそもで言うと、Jコミと言っていた時代からマンガ図書館Zの存在は認識してたんですが、実際に自分が利用することはほとんどありませんでした。何度か試しにアクセスしてみるのですが、すぐに飽きてしまうということを繰り返していました。そこに変化が現れたのは、一つはコロナ騒動。連日SNSやニュースでヘイトツイートが山盛りやり取りされてて、それを眺めていてメンタルがかなりやられてしまいました。こんなしんどいものは見ない方がいい、そんな時間があったら本を読んでた方がよっぽどいいなと思いいたりました。スマホで無料コミックサイトはいくつかありますので、それを利用すれば無料で本が読めますね。もちろんここで違法サイトは選択肢には入りません。合法で、作者が運営者さんがちゃんと正当な報酬が得られるサイトがよろしいです。ということで、マンガ図書館Zを思い出したというわけです。もう一つは、「連ちゃんパパ」が話題になって、興味を持って読んでみたことですね。
簡単にマンガ図書館Zのシステムを紹介しておきます。掲載されているのは基本的には絶版になったマンガ。なので、まあ言ってはなんですが少し古めの作品が多いです。イメージとしては1960年代70年代あたりの作品が多いのかなと思ってたのですが、意外とそうでもない。もうちょっと最近の作品もありますね。もちろん最新の人気作が読めるわけではありませんが。Jコミ立ち上げ時には赤松健先生が自身の代表作の一つである「ラブひな」をわざわざ絶版させて掲載したわけですが、そこまでの人気作は流石にほとんどない。でもパッと見たところでも例えば「ドラゴン桜」とかが掲載されてるのはどういう経緯なんだろう。最近の作品ですしまだまだ人気あるでしょうから絶版になるような作品とは思えないんだけども。ほかにも、ちょっと懐かしい作品に出合えてびっくりしますし、とても嬉しかったりもします。
読むのは基本的に無料ですが、ハートというシステムがあります。作品にはハート読みとハート無しがあります。ハート読みの作品は1ページ読むのに1ハート消費します。ハートは毎日100ハート補充されますので、1日100ページまでなら無料で読めます。連続ログインボーナスとか、都度広告視聴での補充とかもありますけれど。それ以上読みたかったらハートを購入するわけですね。マンガアプリでよくある方式ですね。ハート有り無しのどちらの作品も、読んでる最中に広告が表示されます。ハートの売上と広告の売上が、作者とサイトの運営者の取り分ということですね。
という感じで、毎日ログインして最低100ページは読むようになって二週間ほど。この間で読んだのは32冊。1作品200ページとしたらハート読みは7冊しか読めないはずですから、つまりはハート無しをかなりたくさん読んだわけですね。
実際のところ、ハート読みは読んでて結構辛いものがあります。1日100ページなんてあっという間に到達するわけです。休みの日などで1日かければ、コミックなら10冊だって20冊だって読めるのに、たった100ページでは制限が厳しい。そりゃそこで有料のハートを買ってもらいたいわけなんで、運営の意図はとてもよくわかるのですけれどね。ともあれ、結果的にハート無しをかなり読んでしまってます。運営と作者のみなさんにはごめんなさいと言いたいところですが、ちゃんと広告は出てますので売上はあがってるはずなんですね。
さてその広告ですが、マンガを読んでる最中に出てきます。邪魔かなとも思ったんですが、実際に読んでると意外と邪魔ではない。いや、もちろん邪魔なんですが、出てきた瞬間に反射的に閉じてしまえるように訓練されてしまったので、あまり邪魔に感じないという。そう、つまりは広告ほとんど見てないんですよね。これはマンガ図書館Zに限った話ではなくネット広告全体に言えることですが、広告はたくさん出稿されてるけど、実際に見られてる率はどれくらいあるんだろう。ネットが広告まみれになってしまったことで、見る人は広告を避けるように耐性ができてしまっているんじゃなかろうか。実際、アフィリエイターの方の取り分はどんどん下がっていってしまっているそうですし。ネット広告による広告効果や売り上げは今後下がる方向にあるじゃないでしょうかね。となると、広告を売上の柱の一つに据えているマンガ図書館Zとしても、今後新たな収益の柱を探さないといけないかもしれないですね。
ともあれ、今のところかなり気に入って毎日アプリを利用してます。絶版になった作品ですから、最新の人気作は読めません。でも代わりにと言ってはなんですが、かつての人気作が読めるわけですね。また、作者の方々にとって過去の作品で収益があがるというのも素敵な話ですね。このシステムを考えた赤松健先生は凄いなと思います。
(2020/8/13追記)
マンガ図書館Zをはじめて2ヶ月ほど経過しました。この間、毎日ログインしてログインボーナスの100ハートを受け取ってますし、毎日必ず100ハートは消化しています。有料ハートも少しですが購入しました。やっぱいいところで読めなくなると、続きがすぐに読みたくなりますもん。まんまと運営の罠にはまってしまってますな。はっはっは。こういう罠ならむしろはまりたい。
ちなみに読んだ冊数は160冊ほど。2ヶ月にしては結構読んだ方でしょうか。ということで、まあそれなりのマンガ図書館Zのヘビーユーザと言えるようになったと思いますので、ここんところで思うところをまた少し書き出しておきたいと思います。
まず未だにわかってないのが、アプリとサイトの違い。私が今利用しているのはアプリなわけですが、マンガ図書館Zにはサイトもあります。サイトはPCだけでアクセスできるわけではなく、スマホでもアクセスできます。そしてサイトだとハートシステムは無くて掲載されている全ての作品が無料で読めます。さらに、サイトの方が掲載作品が多いんですね。言ってしまえば、アプリにはサイトから厳選された作品だけが読めるようになっている。まあ全作品を付き合わせたわけではないですから、実はアプリだけで読める作品もあるのかもしれませんが。
というところで疑問なのは、ではアプリは一体どういうメリットがあるのか。ハートという制限がかかって読める作品も少なくてって、いいとこなしですやん。多分私がまだ気がついてないアプリのメリットがあるんだろうとは思うんですがね。またわかったら追記しようと思います。
アプリの使い勝手で少し気になるところもいくつかあります。
自分が一ページでも読んだ作品は本棚の閲覧履歴に入るのですが、これが読んでる途中なのか読了しているのかの区別が付かない。私の本棚には160冊も登録されているわけですが、どの作品が読んでる途中かは自分で記憶するしかない。一応、最近に読んだものが前に表示されるように並んでいるので、読み終わった作品はどんどん後ろにさがっていくので管理しきれないほどではないんですけどね。でも、読んでる途中の作品が複数あると管理が難しくなります。
ならば次々に本棚に登録するのではなく1冊を読み終わってからにすればいいのにと思うんですが、これが難しいんですよ。アプリではこの作品が面白そうで読みたいなと思っても、それをクリップしておくような機能が本棚以外には無いのです。作品一覧を眺めて次々にクリップしておくと、本棚に未読の本が積みあがってしまうことになるわけです。ここでも積ん読の山がー!ということでクリップ機能もしくは読了が見分けつく機能は是非とも欲しいところです。
本棚の不満はまだあります。本棚の作品一覧画面では、その作品がハート読みかハート無しかがわからないのです。通常の作品一覧画面ではわかるんですけどね。本棚でハートの要不要がわからないので、今日の残りのハートでどの作品を読もうかと思っても、実際に開いて1ページ読み進めてみないとわからない。ということで、これも是非本棚でハートの要不要がわかるようにして欲しい。
本棚の不満はさらにあります。一覧画面との情報量がハートの要不要以外にも、巻数も、その作者の他の作品一覧も見えないんです。どちらも作品一覧画面にはあるんですが。何巻もある作品を本棚から読んでる時に、あと何巻あるんだろうと思っても、いちいちぐぐって調べてるという状態。これアプリの中でも表示して欲しいなぁ。同じ作者の別の作品も、これまた表示して欲しいところ。読み終わって面白かったから同じ作者の別の作品も読みたいなと思っても、一覧画面に戻って作者名を入力して検索しないといけないという。これも本棚で表示して欲しいなぁ。
一覧画面の方にも不満がないわけではありません。作品の情報としては、タイトル、作者名、表紙イメージ、巻数があるわけですが、もうちょっと詳細な情報表示できないですかね。せめて執筆年は欲しいなと思うんですが、これは作者の立場からは出したくない情報なのかな。
理想を言えば、一覧画面で作品を表示するときに、自分の本棚に登録済みかどうかもわかると嬉しいんですよね。贅沢な希望かもしれませんが。
私は本棚を読書記録的に使っているわけですが、実はこれが読書記録にはならない。マンガ図書館Zの掲載作品は未来永劫公開されているわけではなく、期間限定だったり掲載取りやめになることもあるんですね。ヒットした「連ちゃんパパ」も掲載されなくなりました。それは仕方ないんですが、掲載取りやめになると自分の本棚からも消えてしまうんですね。これでは読書記録にならない。読んだ記録ということで、中身は読めなくなっても書誌情報だけでも本棚に残ってくれると嬉しい。もしくは、読書メーターみたいな外部の読書記録サービスと連携する機能があったりするとスゴく嬉しい。
とかまあ、いろいろ思うところはあるので書き出してみたんですが、こんなネットの片隅で書いたところで運営の方に読んでもらえるわけもないですよね。当たり前だ。ということで、差し出がましいようですが要望として送っておこうと思います。こういう要望がありますよということだけでも伝えておきたいと思います。
なんか文句ばっかり書き出してしまったようですが、これはどっちかというと重箱の隅つつきのようなものでして、全体としては大満足しているアプリです。でないと2ヶ月間も毎日アクセスしないわけで。マンガが大量に読めるわけですが、ここで今まで知らなかった作品や知らなかった漫画家さんとの新たな出会いもいくつもさせていただきました。マンガ図書館Zがなければ多分出会うことがなかったわけで、これは本当にもういくら感謝してもしきれない。書店やマンガ雑誌が衰退していくなかで、ネットがマンガとの出会いの場になっているわけですが、ネットではどうしても広がりが少なくなり、読むのは知ってる作品や有名な作品に偏ってしまいがちです。なんとか少しでも幅を広げるためには多様なサービスが必要で、マンガ図書館Zは間違いなくその一翼を担っているなと思う次第であります。
(2020/8/22追記)
ウェブ版とアプリ版の違い、公式サイトにちゃんと説明ありました。灯台モトクラシー。いや、ちゃんと調べない私が悪いんですがね。何が違うかというと「ダウンロード可」「アプリ限定作品」「ハートシステム」ということだそうです。
ダウンロード可は、そういえばそんな機能もあったかなと。個人的にはいつもWiFiある環境でしか使ってなかったので気にしてませんでしたが、通勤電車で読んでますって人とかには便利な機能でしょうね。なお、ダウンロード可と言ってもあくまでもアプリ内での話であって、PDFファイルが自分のものになるわけではありませんね。当たり前ですが。その作品が公開終了になったらダウンロードした作品も読めなくなるのだと思われます。
上の方で私が掲載されてるのが不思議だなと挙げた「ドラゴン桜」などはアプリ限定作品なんだそうです。ああ、なるほど。アプリ限定だと絶版作品でなくても、出版社から通常のマンガアプリへの配信ルートを通して作品を掲載してもらえることができるわけですね。これは絶版作品以外も掲載できるわけですから、読者としても嬉しいことです。
最後のハートシステムはこれまでも言及してきたものですね。
(2020/10/5)
いつものようにマンガ図書館Zのアプリを立ち上げたところ、お知らせが掲載されていまして。何かなぁと思ったら、なんとアプリ版の終了でした。がーん。【重要なお知らせ】『マンガ図書館Z』アプリ(iOS版、Android版)終了についてにも同じ内容が掲載されていました。2020年12月28日23時59分をもって終了だそうです。
うーん、残念ですがまあ運営がそういうのなら仕方ないですねぇ。終了の理由は明かされていませんが、単純に考えて儲かってないからやめるんですよねぇ。毎日ログインボーナスばっかりで読んでる私のような不良読者がいるからだと言われてしまうと返す言葉もございません。一応何度かハートを購入したこともあるんですが、とても運営を維持できるほどの金額ではないですからねぇ。
幸いというか、マンガ図書館Z自体が終わるわけではなく、あくまでもアプリだけ。サイトは変わらず運営されますので、これからはサイトで読めばいいわけですが、個人的にちょっと困ったのは、今読んでるのがアプリ専用の「クロカン」でして。一気に有料ハート買って読み切ろうかとも思ったんですが、今日の時点で有料ハートの購入は出来なくなってしまったんですよねぇ。これはちょっと残念。運営としては未消費の有料ハートを出来るだけ生みたくないんだろうなぁとは思いますが。ソシャゲがサービス終了するときとかも、似たような感じですよね。
ということで、ここ数か月毎日必ず使っていたアプリだけに非常に残念ではありますが、まずは残り3か月は引き続きアプリを使い、その後はサイトを利用させていただきたいと思います。
(2020/12/3追記)
アプリ終了まで1か月を切りました。現在は引き続きアプリを使ってマンガを読んでいますが、アプリ終了後はウェブ版で引き続きマンガを読んでいくつもりです。が、ここにきてちょっと心配になってきたのは、本当にウェブでも毎日読めるかなと。
というのは、アプリにはハートシステムがあって、ハートが無いと読めない作品があります。ハートはログインボーナスでもらえますので、毎日ログインする動機付けになっているんです。そしてハートは消費してないと補充されないので、必然的に毎日ハートを消費する動機付けにもなっているのです。もちろんハート無しで読める作品についてはこの限りではないんですけどね。
そこでふと自分の行動を振り返ってみると、やはりこのログインボーナスによる動機付けって大きいなと思ったんですよ。少々時間が無い日でも、今日のログインボーナスの取得と消化だけはしておこうかと思えますもん。一方、ウェブ版にはハートシステムは無く、全ての作品がいつでも読み放題です。ウェブ版の方が自由度が高いわけですが、ハートによる動機付けが無くて、果たしてどれだけ読めるかなぁというのが気になりました。
ま、要するにログインボーナスのシステムって凄いよなってことを今更再確認したってだけのことなんですけどね。ソシャゲをプレイしてる方にとっては常識以前の話だとは思うんですが、私はそれを知らなかったもので、それをマンガ図書館Zのアプリで初めて身をもって教えられたなという、そういう話です。
(2020/12/28追記)
いよいよ本日、2020年12月28日でマンガ図書館Zのアプリ提供が終了です。思えば今年の6月6日にアプリを使い始めてから今日まで、毎日ログインしてボーナスをもらい、そしてきっちり使い切る(=翌日のログインボーナスをフルで取得)という皆勤賞を達成しました。わーい、ぱちぱちぱち。って全然めでたくないよね。私みたいな無料厨がいるからアプリも廃止になってしまうわけで。一応何度か有料ハートは買ったことはあるんですが、焼け石に水でしかないですよねぇ。赤松先生、スタッフのみなさますいません。
という謝罪だけで終わってもなんですので、これまでのアプリ利用歴を簡単に振り返ります。読んだマンガは全部で343冊。これを205日で読んだんだから、我ながらよく読んだなとは思います。これを全部紙の本で買って読むというのは現実的ではありませんので、やはりマンガ図書館Zは素晴らしいなぁと思います。これで作者や運営に十分な利益が入っていれば、まさにwin-winなんですが、そこんところは実際どうなんでしょうねぇ。「マンガ図書館Z」で、作家が得られる収益が激減?~その理由は「漫画村」騒動の悪影響??では漫画村の影響で広告激減した時期もあったりしたようですが。
私にとってのマンガ図書館Zの魅力は、なんといってもこれまで自分の観測範囲には入ってなかった作品と出会えるところ。読んだ作品全部を紹介するのは無理がありますので、特に印象に残った作品をここで少しご紹介。
- アンドロイドのいる法律事務所(緒方 てい)
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私のマンガ図書館Zの本棚の一番下にあるのがこの作品です。一番最初に読んだわけではないと思いますが、一番下にあるということは一番最初に読了したのは間違いないでしょう。
内容は、ある日突然美少女アンドロイドがやってきて共同生活が始まるという、ある意味よくある作品なのですが、それが法律マンガになっているところが新しいでしょうか。アンドロイドのあずきがかわいくて、それだけで十分に読み応えがあります。
- サイコスタッフ(水上 悟志)
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世界を救う超能力者の話でありつつ、努力と才能のはざまで揺れるのがちょうど将来のことを考える受験生という見事な設定。お話としてもキャラクターとしても綺麗に成立していて、とても安心して読めて面白かったです。
- P専嬢のダリア(夏目 義徳/草薙 だらい)
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タイトルからもしかしてちょっとエッチ系かもと期待させておいて、本編は怒濤の法律マンガという。この流れ、好きですよ。もちろん作品もとても面白いです。
- いきばた主夫ランブル(星里 もちる)
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失業した旦那さんが主婦になって家事を行うというのは令和の今となってはそれほど珍しい話ではありませんが、この作品が描かれたのは昭和63年。まだまだ男尊女卑、家事は女の仕事というのが当たり前の価値観だった時代です。そんな時代に専業主夫をテーマにした作品を描くなんて、作家の未来予知能力というか未来創造能力は時として恐ろしい程であるのですが、この作品はまさにその好例かもしれません。当時としては専業主夫など絶対にあり得ないというところからの逆張りで生まれたアイデアかもしれませんが、自虐に陥ることなく、むしろ専業主夫をポジティブに描くことで現代にも通じる価値観の作品に仕上がってるのは驚愕です。
- 七つの海(岩泉 舞)
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以前から存じ上げていた作品でマンガ図書館Zで知ったわけではないのでここに取り上げるのはどうかとも思ったのですが、この作品はどうしても語りたかったのであえて。
ジャンプ本誌で読んだときから大好きで、コミックスももちろん買いました。しかし、作者の岩泉舞さんはどのような事情かはわかりませんが、その後作品を発表されることもなく事実上の引退状態です。是非連載作品を読みたかったなぁと今でも思いますし、もちろん今からでも掲載されたらそのときは絶対読みます。
- 片町夜曲(わたべ淳/山崎浩治)
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地元誌に掲載された作品ということで、コミックスも電子でしか出てないようで、これを観測範囲に入れるのはかなり困難。作品との出会いの機会を提供してくれたマンガ図書館Zに感謝です。金沢の夜の街、片町における人情話。ありきたりなテーマと言ってしまえばそれまでですが、とても丁寧に描かれたお話は読んでいてじーんと染みてきます。
- 遺跡の人(わたべ淳)
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片町夜曲と同じわたべ淳さんの作品。マンガが売れなくなって収入を補うために遺跡発掘のアルバイトをするというのは作者本人の体験談ということでいいのでしょうかね。
夢を追う職業の人が、なかなか夢では食べていけないのでアルバイトをして食いつなぐというのもよくあるテーマではありますが、熱血に夢を追うというよりはどこか諦観したような主人公の視線は逆にリアルでもあります。また、遺跡発掘のアルバイトなるものが世の中に存在することを知らなかったので、社会勉強マンガとしても面白いです。
- しゅっぱつ、進吾!!(はしもとみつお/末田雄一郎)
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鉄道オタクというのは昔からあるジャンルですが、そういえば鉄道をテーマにしたマンガというのは意外と思いつかないですね。そんななか、鉄道でも駅員をテーマにしたというのはかなり意表を突かれました。内容は鉄道会社による現場紹介マンガっぽくもあるのですが、駅員という設定で十分に満足できるマンガです。
- 鉄のほそ道(はしもとみつお)
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しゅっぱつ、進吾!!と同じ作者によるこちらも鉄道マンガ。鉄道ルポライターによる取材旅行の様子を通じて鉄道紹介するという、ある意味メタ視点のマンガ。鉄道趣味でも旅行趣味としても読んでて楽しめます。
- ゆめいろの翼(神塚 ときお)
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神塚ときおさんの作品は「バイキッズ!」を連載当時に読んでいて、とても好きな作品でした。マンガ図書館Zには神塚ときおさんの作品が他にも複数登録されていて、そのなかの一つがこちらです。他の作品は基本的にバイクもしくはメカが出てきて元気いっぱいの少女が跳ね回ることが多いのですが、こちらは全くテイストが違い、内気な小学生の男の子が主人公。お話は男の子の成長物語ではあるのですが、それも通りいっぺんのこれからは元気に頑張りますというようなものではなく、それでいてとても自然で読んでいてとても心が満たされるお話でした。正直、神塚ときおさんがこういう作品を描かれるというのは全く知らなかったのですが、読んでみれば画風にもマッチしていてとてもいいですね。元気いっぱい女の子のメカマンガと共に、こういう作品ももっとたくさん読みたいと思いました。
なお、神塚ときおさんはパーキンソン病を発症されて長らく闘病されておられるとのことです。懸命の治療とリハビリの成果で現在は絵を描くことも出来るほどに回復されているそうです。軽々しく言うことは良くないのかもしれませんが、さらに回復されて神塚ときおさんの新作が読める日が来ることを待っています。
- スパイシー・カフェガール(深谷 陽)
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私にとって、マンガ図書館Zにおける最大の発見がこちらの作品です。めっちゃ面白い。大好き。こういう作品に出会えたのは幸せですし、一方でどうして今まで知らなかったのかなぁと悔しくも思ったりもします。ということで、今では作者の深谷陽さんの他の作品も買い集めて読んでいるところです。
- 男花田秀治郎(どおくまん)
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私のマンガの原体験は小学生の頃に読んだコロコロコミックなんですが、もう一つは当時通っていた銭湯に置いてあった週間少年チャンピオンでした。ブラックジャック、マカロニほうれん荘、らんぽうなどと並び当時の看板作家の一人であったのが、どおくまんさん。そのどおくまんさんの初期の作品がこちらですね。
初期の作品ではありますが、その後のどおくまんさんのテイストが随所に溢れていて、小学生の頃を思い出して懐かしく思い出しました。お話は学園を舞台にしてるわけですが、私自身より少し上の世代になるのでリアルタイムには知らない学校の様子になります。マンガとしての誇張はあるでしょうが、それでも当時の学園ドラマなどとも通じる部分もあり、ある程度の当時の様子を伺い知ることが出来ます。現代とも、私が実際に高校生立った頃とも違う当時の学園の様子は、こうしたマンガやドラマでしか残ってないのかもしれませんね。江戸時代の庶民の風俗を知るには当時の滑稽本を読むしかなかったりもするそうで、マンガもそうした風俗を伝えるメディアとしての役割を果たすようになるだけの歴史の積み重ねができてきているのかなとも思いました。
- スプラッシュ!!(千葉きよかず/松田康志)
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高飛び込みをテーマにしたスポーツマンガです。正直、高飛び込みを扱ったスポーツマンガを初めて見ました。もしかしたら唯一だったりするのかな。実際の選手や関係者には失礼なのですが、高飛び込みってそこまでメジャーなスポーツではないので、こうしてマンガを通して少しでも知れるというのも大きなメリットではないかとも思います。
作品は王道のスポーツマンガ。ライバルや意地悪な敵役も登場する中、まっすぐに努力していく主人公を描きます。素晴らしいのは作者の画力。圧倒的に描き込まれた絵とまっすぐなストーリーに魅了され一気に読み進むことが出来ました。
- パチンカー血風録(たがわ靖之)
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常に人気ランキングに登場し、気になりながらも少々暑苦しい画風で遠慮していたのですが、いつまでも気にしてるのもなんですので読んでみました。これが傑作というか快作というか怪作というか。読んで面白かったのは間違いないです。
主人公はパチンコの釘師かつパチプロの盤面師という設定。実際に盤面師なんてのがいるのかどうか知りません。そんな主人公が全国のパチンコホールを旅して回りながら、パチプロや釘師と盤面勝負をしていくというとんでもない内容。もちろんバックには全国のパチンコを支配しようとする闇の組織があり、悪の組織は主人公の親の仇でもあるという、もう完璧な内容。現実には絶対あり得ない設定ですが、それをこうして楽しく読めるという、これぞまさにマンガというべき作品です。
- コドモのお医者(福田素子)
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新米小児科医のハートフルストーリー。でもどたばたもあり。ありふれていると言えばそれまでですが、マンガの善し悪しって独自性だけじゃないですよね。要は読んで心が動くかどうかであって、そしてこの作品に私はとても心が動かされました。読んでてとても気持ちが暖かくなる。そんな作品。
- ラブひな(赤松 健)
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マンガ図書館Zを作られた赤松健先生の代表作。正直私はラブコメって苦手なんで、赤松先生の作品もこれまでほとんど読んだことがなかったんです。でもせっかくなので読んでみました。結果として、やっぱり凄い。
ラブコメ苦手なのは変わらないので、とても好きな作品になるかというとそういうわけではないのですが、でも読んでて十分に面白い。ラブコメというのも歴史が長くたくさんの作品がありますが、それをここまでラブコメのエッセンスを突き詰めた作品に仕上がっているというのは凄いなと思いました。ラブコメの歴史の中でも金字塔になる作品ではないでしょうか。
- だいらんど(がぁさん)
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まったくもって油断して読み始めて、すぐに自分が間違えていたことに気が付きました。これ、もの凄い作品だ。こんなとんでもない作品に出会えるからたまらない。ほんと、こんな凄い作品との出会いを下さってマンガ図書館Zには感謝しかないです。本来ならハート買って貢献するところですがもう買えないのですよね。どうしたもんだか。
さてそんなもの凄いマンガなんですが、何がどうもの凄いかってのが説明できない。なんなんだろう。凄いのは確かなんだけど、それを言葉で表現できない。私の文章力が拙いからではあるんですけども。とにかく凄かったです。はい。
- 吉村岡田(あべさより)
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これも油断して読み始めて自分の間違いに気づいた作品です。ほんと油断も隙もあったもんじゃない。
お話としてはバカップルなんですが、それがもう突き抜けてる。どんなものでも突き詰めることは素晴らしいというのは、まさにこのことだなと。どこまでもぶれることなくバカップルぶりを見せつけてくれて、こちらも嬉しくなってきます。もちろん人によって好みはあるでしょうから、合わない人には合わないのでしょうけれど、私にはとても合っていました。
(2021/3/18追記)
テイストの合わない広告問題で書いたように、作品を読んでいて間に挟まる広告で興が醒めるので、有料会員に登録しました。これで広告なしで作品を読むことができて、現在非常に快適です。サイト上の広告も消えるのかと期待したのですが、さすがにそこまでではなかった。また作品を読み始める時と読み終わったときの広告も引き続き表示されます。でも作品を読んでる最中に挟まる広告は一切なくなりました。これ、興が醒めないのに加えて、読む時間が広告を表示させない分だけ短縮できるてのも、忙しい身としてはありがたいんですよね。オタクにとってコンテンツ消化の時間は有限ですから。
自分でもちょっと不思議なのは、アプリで読んでた時は広告はそれほど気にならなかったのに、サイトで読むと気になってしまったんですよね。これはちょっと意外というか。多分広告の表示の仕方に違いがあるんでしょうけれど、アプリの広告の出し方がどうだったかもう覚えてないし確認もできないので、調べることも出来なくなってしまいました。これ調べると、結構興味深いネタになりそうではあるんですけどね。要はどうやったら広告を見てもらえるか、人の目を引き付けられるかって話ですから。
さて、有料会員は月額330円です。これってマンガ図書館Zにとって広告費に代わるほどの売上になってるのかなというのがちょっと気になったので計算してみます。1日に200ページの作品を1冊読んだとすると、月間6000ページになります。広告売上は10PV1円と言われていました。ならば600円の売上が期待できるところを330円になるので、マンガ図書館Zとしては売上減になってしまいますね。実際には10PV1円というのはネット広告華やかなりし頃の話で現在はもっと下がっているそうですし、平均的には1か月に読む冊数はもっと少ないだろうから、多分330円はそれほど悪くない値段設定なんではないかなとは想像します。実際のところはわかりませんが。あと言い訳というか自己正当化しておくと、広告による売り上げは変動が激しいのに対して、定額会費は売上の見通しが立ちやすいのですね。最近流行りのサブスクリプションって奴です。なので、経営の安定性を考えると一定数有料会員がいる方がマンガ図書館Zにとってはありがたいのではないかと想像します。以上、自己正当化でした(^^)。