さわかみファンドというのはさわかみ投信という独立系投信会社の設定している投資信託です。タイプは国際一般型。信託期間は無期限。購入時手数料はなし、信託報酬は1%とアクティブファンドとしては比較的安いです。わたしは2002年5月から毎月2万円を積み立てています。
投資と言うとやはり株式が王道のように思えますが、株式取引を個人が行うにはやはりハードルが高いように思います。投資先の企業の情報収集が大変ですし、取引のタイミングも一瞬が重要になります。毎日チャートを睨み続けられるような環境に居る人で無いと株式投資は難しいと思います。取引単位が大きく、資金量が少ない個人では手を出しにくいという問題もあります。後者の問題はるいとうやミニ株などではある程度緩和されることにはなりますが。
以上のように、株式投資は難しいのですが、インフレリスクに対してもっとも効果が高いのは株式ですので、資金のいくらかは株式に振り分けたいです。と言うことで、投資信託になるわけです。数ある株式の投資信託の中で、わたしはさわかみファンドを選択しました。さわかみファンドは株式だけに投資するファンドではありませんが、現時点で日本株しか組み入れていませんので、当面は株式ファンドと考えて問題ないと思います。
さわかみファンドを選んだのは、いくつか理由があります。まずは長期投資を標榜している事。わたしはまだ30代ですから、時間はじっくり掛けることができます。一説には資産の100-(年齢)%を株式に投資するのが良いと言われていますから、わたしの場合は70%を株式に投資してもいいことになります。が、実際にはそれほど高い比率では投資していません。もう一つの選択した理由は、さわかみファンドの長期投資に賛同している人が多くファンドを購入している事です。さわかみファンドの購入者の場合は、基準価額が下がるとここが買い目とばかりに資金を追加投入してきたりします。そうするとファンドの資産額自体はそれほど減少しないため、ファンドが存続することができます。実際にさわかみファンドが数十年の運用を続けるかどうかは分かりませんが、このファンド購入者達がいる限りは、しばらくは安心していいように思います。もちろん、手数料が比較的安いことや、これまでのところ株式市場に対して良いパフォーマンスを示している事なども選択の理由です。
(2007/7/21追記)
最近、ランダムウォーク理論が世に認められつつある証なのか、アクティブファンド派の反論を見かける機会が多くなってきたように思います。さわかみファンドもアクティブファンドですので、やはり一言言っておかなければならないと澤上篤人氏も考えたようで、ファンド購入者向けのレポートで反論を書いていました。が、正直その反論は反論になっていと思います。
澤上篤人氏の反論を要約すると、PCAのファンドを例に挙げてインデックスを大幅に上回る成績を上げているので、パッシブ運用よりアクティブ運用が優れているというものでした。が、ランダムウォーク理論では別にインデックスを上回るアクティブファンドの存在を否定してはいないんですよね。ごく短期間であればインデックスを上回るアクティブファンドは多数にのぼること、長期間であってもインデックスを上回るアクティブファンドも少数ながら存在することは認めています。ただ、そのファンドを事前に知ることは難しいと言っているだけなんです。PCAが優れた成績を上げたことは事実でも、それを設定当初に事実として知ることは誰にも出来ません。さわかみファンドも、将来に渡ってインデックスを上回る成績をあげるかもしれませんが、それは現時点では保証できない話なんです。
ランダムウォーク理論を知ってからずっとさわかみファンドをどう捉えるかが私の中での課題だったんですが、この澤上篤人氏の反論をきっかけに逆にすっきりしました。やはり、私はランダムウォーク信者を続けます。ただ、アクティブファンドへの投資を全廃するわけではない。可能性としてインデックスを上回ることが出来るのならば、資産のうちの一部を振り分けることは意味があるでしょう。しかし、その場合でも資産の大半をアクティブファンドに投資することは出来ません。馬券に例えて言うなら、本命はあくまでも低オッズのインデックスファンド。アクティブファンドは穴馬狙いの押さえ購入ということになるでしょうか。
ということで、現在の私のさわかみファンドへの投資は過大だということになりますので、積立を停止して一部を解約することにしました。現時点での残高が約100万円ですので、80万円分ほどを解約して、20万円程度を保有しつづける予定です。さわかみファンドは50万円以上の解約には信託財産留保金が掛かりますし、積立を定期的に行うことでドルコスト平均法が使えるのなら、解約も定期的に行うことで同様の効果が得られると思うので、毎月20万円ずつ解約することにしました。ドルコスト平均法をより厳密に適用するなら定額解約ではなく定口解約しなければいけないんですが、さわかみファンドではそのような解約方法は使えないのが残念です。
当然の選択方法として一部解約せずに積立だけを停止するという方法もあります。ですが、私の今の積立額だと、さわかみファンドの既存積立額がポートフォリオの中で少額になるのに時間が掛かることと、所得税が10%の特例期間が来年3月で終わってそれ以降は20%にあがってしまうことから、解約することにしました。
(2012/5/18追記)
色々ありましてファンドを全部整理して401Kに一本化することにして、さわかみファンドも全部解約してしまいました。
(2012/6/21追記)
さわかみファンド研究というコンテンツを作ってみました。まだ大した内容ではありませんが、よろしければご覧ください。