twitter疲れについて

2009/12/22作成

ある女の「twitter疲れ」(増田風) - 荻上式BLOG

[Webサービス][SNS]仲良い人とネットでこっそりやりとりする場として、なぜ不向きなTwitterを選ぶのだろうか

元ネタの"twitter疲れ"記事はmixi疲れのコピペ改変らしんだけど、書いてあることは大体破綻してないので、「あり得ること」として思うところをいくつか。

・データである限り流出のリスクはある

kanoseさんは「twitterはオープンであり、クローズドな場は他にもある」というわけですが、クローズドな場で書いたとしても、極論すれば暴露ウィルスなどで公開になる可能性はあり得ます。これはデータである限り避けようがない。流出した個人情報だってプライベート写真だって、公開するつもりはなかったでしょう。

kanoseさんが挙げているクローズドな場での発言だって、そこの参加者が他に転載してしまうのを止めることは出来ません。

・初期twitterは十分クローズドだった

初期のtwitterはネットの先進ユーザだけが使っていたわけで、twitterという場自体がクローズドな場と言っても過言ではない状況だった。そこをクローズドな場として使うことにそれほど問題があるとは思わない。twitterがそのまま一部のユーザだけが楽しむマイナーサービスであったならば、こんな問題にはならなかっただろう。問題は、twitterがヒットして大衆化してしまったところにある。それは彼女の責任ではないと思う。

・ペルソナの使い分けの問題の可能性

人は複数のペルソナを使い分けて生活している。この辺のところは一度mixi日記で書いたことがあるんだけど、今は消してしまったのでたどれない。思い出せたら今度テキスト起こします。

ともあれ、職場向けのペルソナ、家族向けのペルソナ、同級生の間でのペルソナなどなどを使い分けている。そのうちの一つのペルソナをtwitter上では使っていたわけだけど、本名から容易に推測可能なアカウントだったために、他のペルソナでの知人からもフォローを求められることになってしまったということ。なので、そのペルソナ専用のアカウントにしておけばよかったのにという指摘はその通り。

・twitterのシステム自体の問題点

色々考えているうちに、これはtwitter特有の問題なのかなと思い至った。

twitterでは公開設定をすることが出来る。非公開にすれば、限定された人にしか見えないようにつぶやくことが出来る。これは、一見クローズドな場に見える。そう思ってしまうのも、ある程度仕方がないだろう。しかし、フォローした人がRTしたときに、その人が公開設定になっているとRTが漏れるという事態が起きてしまう。ここがtwitterのシステム上の問題点。

例えばmixiで同様の例を考えてみる。マイミク限定公開の日記を書き、マイミクは限られた知人のみとしておいたとする。当然日記はマイミクにしか読まれない。そして、マイミクが日記に対して返信するのは普通はコメント機能を使うので、コメントもマイミクにしか読まれない。よって、クローズドな場が保たれている。

しかし、twitterはコメント機能が無いので、RTで自分の発言となってしまう。mixiの例で言えば、日記に対するコメントを自分の日記でするようなものである。これはtwitterの不備であるとともに、この仕組みが一般に認識されていないということが問題ではないかと思う。こうした仕組みが理解されていれば、件の彼女も最初から警戒してつぶやいていたのではないだろうか。

(追記)

書き漏れていたことがあったので追記。

クローズドな場について。例えばkanoseさんの挙げたクローズドな場というのは、比較的参加者全体において「ここはクローズドである」という共通認識があると思います。だから、その場で出た話はその中だけでとどめておくようにみんなの意識が働くことが期待されます。

一方、twitterは非公開設定にしていても、それがフォローしている人には認識しにくい仕組みになっています。だから、非公開でつぶやいたことがフォローしている人に「ここだけの話」とは認識されなくて、RTなどで広まってしまうという事故を起こしやすいのかなと。

もう一つはペルソナ。mixiは一人1アカウントしか持てない規約になっているので、一つのアカウントで複数のペルソナを持たざるを得ない。この点がmixiのいけてないところだと思うし、mixi疲れの一因はここにもあるんじゃないかなと。一方、twitterは別に一人で複数のアカウントを持つことは禁止されていない。だったら、ペルソナに合わせてアカウントを複数持てるし、既存のアカウントの名称を変更することだって出来る。これらの機能を使えば、くだんの女性の問題は解決可能だったのではないだろうか。