コンビニだって(どうせ腐らせてしまう)弁当やパンだけでも(停電したからといって店を閉めずに)手作業ででも売るべきだったと思うし、停電したショッピングセンターもドアを閉める前に毛布やスニーカーだけでも門前で売ってほしかった。神戸の震災の時、被災地のダイエーをすぐさま営業させた中内功氏はすごい人だったのだと理解できた。
ちきりん氏の意見はよくわかる。共感も出来る。読んだ時点では同感もした。しかし、実際に開店してた店は
「[しごと]とあるコンビニの金曜日から土曜日にかけて」(http://d.hatena.ne.jp/nakamurabashi/20110313/1299997896)
というような状況だったそうです。まあ、開店した場合に全ての商店がそうなったとは限らないでしょうけれど。
nakamurabashi氏のコンビニでは、氏の超人的な活躍によって混乱を押さえ込むことが出来た。しかし、それは氏の才覚と偶然のなせる技であって、誰でも成し遂げられるものではないだろう。氏のコンビニでも、一歩何かが間違えば、暴動に発展していた可能性も十分にありえたと思えるし。
ということで、震災時の商店主の教訓としては「停電したら閉店する」でいいんじゃないでしょうか。商品の供給を行うことで救われる人はいるでしょうが、しかしそれは命に関わるほどのことではないと思います。そこまで切羽詰っているほどの被災地であれば商店自体も損害をうけているでしょうし、救援は商店主の義務ではなく、救助隊の仕事だと思います。nakamurabashi氏のコンビニに来た客にしても、実際のところ不安だから物資を買い求めに来ただけで、緊急の品物を求めてではないように読み取れます。
品物を抱えたまま閉店していたら、もしかしたら暴徒によって打ちこわしを受けるかもしれません。しかし、開店してもどうせ暴徒化した群集に蹂躙されるのです。nakamurabashi氏による群集操縦能力は傑出したものと考えられますので、普通の商店主にはそんな能力があるとは思えませんし、それを期待すべきでもありません。
だから「停電したら、とりあえず閉店する」でいいんじゃないでしょうか。もちろん、「群集を制御しきれる」という自信のある商店主は開店すればいいし、「たとえ暴徒化しても、それでも開店すべきだ」と思うなら、それを止めることは誰にも出来ませんけれど。
(追記)
読みようによってはnakamurabashi氏の開店の決断を非難しているようにも読めるので補足。そういうつもりは、ひとかけらもありません。nakamurabashi氏は自分ですべきことを決断し実行しきったわけで、それを外部から非難することはないと思います。