マイノリティのサポートは誰がするのか問題

2024/3/31作成

「面倒な人、全部私に押し付けないで…」ADHDやHSPの「サポート役」が、毎日職場ですり減っている「ヤバすぎる理由」

この記事では発達障害の同僚のサポート役になってしまった方が疲弊しているという話がされています。似た構造の話は、ワーママ界隈でもありますよね。産休や育休、復職後の時短勤務や子の体調不良による突然休暇のサポートのために、独身や子なし社員が疲弊してしまっていると。

識者の方は、誰しも弱者に転落することはあるんだからお互いさまでサポートしあうべきだと仰います。それは間違ってはいないのですが、サポートのためにキャパオーバーして苦しんでる方は今すぐなんらかのサポートがないと潰れてしまいますよねぇ。

この問題って要するにインクルーシブだのダイバーシティだのの社会を実現するために誰が汗をかくかって話ですよね。本来なら社会が汗をかく必要があるんだけど、現状では同僚など現場の人に汗をかかせてしまっている。そこの勘違いが問題の根本かなという気がします。

ちょっと話がそれますが、マイノリティの人がマジョリティの人からサポートを受けた時、マイノリティの人はお礼を言う必要はないという考え方があるそうですね。曰く、マイノリティはサポートがあってようやく人並みの権利を享受できるわけで、それは当然の権利だからお礼にはあたらないということです。一見筋が通っていそうな話ですが、私は違うと思うんですよ。マイノリティの人が当然の権利を享受するためにサポートする義務を負っているのは社会です。目の前のマジョリティに属する個人ではありません。お礼を言わないことは、社会がマイノリティに対して十分にサポートしていないことに対する怒りを、ただ単に目の前のマジョリティの個人に八つ当たりしているだけではないかなと思います。本来ならマイノリティもマジョリティも入り混じった状態が多様性だと思いますが、現状はマイノリティの人がマジョリティの人を敵視して壁を作って分断しているのではないかなぁという気がします。