問題は人の質が下がったことではなくて

2024/3/27作成

「人の質が下がったのではなく、質の低い人が世界に叫べるツールができただけ。昔から質の低い人はいたが誰も彼らの戯言に耳を貸さなかったし、戯言が耳に入る機会もほぼなかった。SNSのおかげで賑やかな世界になったが、世界は今でもまともな人が大半だ」とSNSを使い倒してる70代の知り合いが話してた…

— MT(TRUE COLORS Japan運営、C&F協会の人) (@Mocherin) March 25, 2024

このポスト自体には同意するのですが、問題はそこではないと思うんですよ。

問題は2点。一つはネットの力によって問題行動が拡散されやすくなったこと。もう一つは問題行動がデジタルタトゥーとして残りやすくなったこと。

「せっかく神戸大学にまで入っておきながら旅館で大暴れして破壊行為とは情けない。俺らが若い頃には云々」と言っているおっさんだって、多分若い頃には人に言えないことの一つや二つやらかしていることでしょう。賢人然としてスイーツについてポストしている70代の知り合いって人も、多分若い頃にはなんかやらかしてると思いますよ。でもその頃にはネットが無かったから、身近な人しか問題行動を知りようがなかった。でも今はネットによって拡散され、誰でも知れるようになってしまった。

もう一つ、デジタルタトゥーについて。元祖バカッターのバイトテロ君もしょうゆペロペロ君も、永遠にデジタルタトゥーが残ります。おそらくまともな就職も結婚も出来ません。いわゆる「普通の人生」を歩めなくなってしまいましたね。ネット民はそれを自業自得と言うでしょうし、そうした罰が抑止力になるんだと胸をはりますが、果たして彼らの行った罪は人生を崩壊させるのに釣り合うほどのことなのでしょうか。

また、社会にとっても有害なのは無敵の人を生み出すということです。彼らはどうせまともな人生は送れなくなってしまいましたし、むしろ社会に対する復讐心がありますから、今後さらに恐ろしい犯罪を犯す動機は十分にあります。また、有名になってしまったことで裏社会を含めた怪しい人たちもすり寄ってきます。どうせまっとうな人生を送れないのなら、そうした人たちの口車に乗ってしまおうと考えるのも自然なことですね。こうして社会は一人の犯罪者を作り出してしまう。それでいいんだろうかと。

だからといって彼らを許せってわけでもないのですが、罰が相応かどうかは考えないといけないかと思います。今のネットというかSNSは明らかに暴走状態であり、人類社会に対して様々な害を与える存在になっていると思います。もちろんSNSにいい面もあるんですけどね。