生成AIチェッカの話

2024/1/29作成

「生成AIチェッカー」が無償公開 ~生成AIが書いた論文やレポートかどうかを瞬時に判定してくれる

生成AIは便利な道具ですが、当然に悪用する人も出てくる。「私が作りました」と言って生成AIの成果をそのまま出してこられてはあれこれ不都合がありますから、生成AIによるものかどうかのチェッカーが登場するのも当然ですね。

試しに一つ前のプログラム言語がなんとかならん話をこのチェッカでチェックしてみたところ10%で「人によって書かれたテキストである可能性が高いです」となりました。よかった。私はAIじゃなかったんだ。

試しに ChatGPT(3.5)に「「プログラム言語がなんとかならん話」というお題で1000文字程度のエッセーを書いてください」と依頼し、以下の文章を生成してもらいました。

「プログラム言語がなんとかならん話」

現代社会において、プログラム言語は私たちの日常生活に深く浸透しています。スマートフォンのアプリ、ウェブサイトの構築、ビジネスの効率化など、様々な分野でプログラム言語が欠かせない存在となっています。しかし、その発展と普及には様々な課題や問題も浮かび上がっています。

一つの大きな課題は、プログラム言語の多様性とその急速な進化です。新しい言語やフレームワークが続々と登場し、それに追いつくだけの学習やスキルの更新が求められます。これにより、エンジニアや開発者は常に最新のトレンドや技術を追い求め、適応し続けなければなりません。これは素晴らしい進歩ではありますが、同時に負担ともなりかねません。

また、プログラム言語が進化する一方で、その複雑性も増しています。初心者にとっては、習得が難しくなり、学習コストが高まっています。これが垣間見えるのは、プログラミング教育の普及が進む中で、学習者たちが最初に直面する障壁です。シンプルな言語やツールの提供が求められる時代において、適切なサポートが不足していると言えるでしょう。

更に、異なるプログラム言語間の互換性の問題も根深く存在します。プロジェクトや企業が複数の言語を使用する場合、これらを効果的に統合することは容易ではありません。異なる言語仕様やライブラリの違いにより、開発プロセスが複雑化し、コストや時間がかかることがあります。

このような課題に直面しながらも、私たちはプログラム言語の進化と発展を期待しています。これは、テクノロジーがもたらす未来への挑戦でもあります。プログラム言語の普及と進歩には、学習環境の改善や共通の標準の確立、エコシステム全体の協力が求められます。そして、これによってプログラム言語がより使いやすく、効率的になり、ますます広がるデジタル社会においても、我々を支え続けるでしょう。

結局のところ、「プログラム言語がなんとかならん話」は、挑戦と希望が入り交じった物語なのかもしれません。私たちはその挑戦を乗り越え、技術の力を最大限に活かして、より良い未来を築いていくことが求められています

なかなかもっともらしい文章ですね。さすが ChatGPT 様です。この文章をチェックしてみたところ70%となりました。かなりAI生成であることが疑わしいということですね。

よし、これでAIによって生成されたテキストかどうかわかるぜ、やったー。とは残念ながらならないですよね。特に注意事項には書かれていませんが、当然に誤判定はあり得るはずです。そもそもAI生成判定もパーセンテージであって、白黒はっきり結論付けているわけではありませんしね。AIが人を完全に区別付かない文章を書くのは難しくても、人がAIと区別が付かない文章を書くのは、プロの文筆家とかなら多分そんなに難しくないと思います。文筆家の方が書いたAI模倣文章をこのサービスで判定したら、果たしてどうなるのでしょうね。

さて、こういうサービスが登場してきて、問題はこれをどう使うかです。これについては先行例がありますね。ネットからのコピペ検出ツールです。クラウドソーシングでのブログ記事執筆依頼などでよく使われてるそうですね。もっとも、依頼料を値切るために悪用されてたりもするそうなので、それも含めてツールの使い方だなぁとは思うのですが。

どこだったかで、大学教員の方が学生の書いた論文がコピペだったのでそれを指摘したときの話を読んだことがあります。その方の場合いきなりコピペだろうと指摘したのではなく、もしも出してはまずい論文だった場合、あとでばれたら大きな問題になる。今なら別の論文と差し替えることは可能なので、そのことを考えてくれないかというようなことを、時間をかけてじっくりと学生に説明したそうです。

多分この大学教員の方のような接し方が一つの理想ではないかなとは思います。ただ、それには一人一人に対してとてつもない時間をかけなければなりません。当然ツールの誤判定の可能性もありますので、その点も考慮しなければなりません。そう考えると、コピペ発見ツールにしても生成AI判定ツールにしても、扱い方が非常に難しいものなんですよね。一方で、ツールが判定したんだからコピペ/生成AIだろうと決めつけるような単純な人も世の中には一定数いそうな気はします。そういう人のことを考えると、この手のツールはむしろ存在してはいけなかったのではないかなとも思えたりします。

ということで、判定ツールが登場したことで、生成AIの扱いは新たなステージに入ったかなと思います。問われているのは、常にそのツールをどのように人間が扱うのかということなんですけどね。