男性の本音は変わらず「結婚するなら若い女性」だが…人々が「年の差婚」に感じる"気持ち悪さ"の正体
「男が若い女が好きなのはけしからん」という論調ですが、女だって若い男が好きですよね。マダムが囲うのは若いツバメであって中年のおっさんではありません。男性アイドルだって10代の若い男の子です。中年アイドルも居ますけど、それはかつて10代の若い子がずっと芸能活動を続けていて、ファンは若い頃から追いかけているから。たまに中年でデビューするアイドルも居なくはないですが、それはアイドルが若い子であるという前提があるからのカウンターなんですよね。中年デビューアイドルが当たり前になるわけではない。
でですね、別に女も愚かだろって言いたいわけではなくて、そもそもとして若い子が好きなのは当たり前ってことを話したいんですよ。なんでかというと、ここでいう「好き」というのはすなわち性的に魅力を感じるかどうかって話であるからなんですね。人間を生物として捉えた場合、性的魅力とはすなわち身体的にもっとも成熟した状態をいうわけで、それはすなわち言葉にすると「若い」ってことなんですよ。スポーツ選手のパフォーマンスをみたって、身体的なピークは10代後半から20代までですよね。種目によっては経験でカバーしてトップレベルで戦う選手もいますけど、身体的にはピークを過ぎている。だから「男は若い女が好きなんでしょ」とか「女だって若い男が好きだろ」なんてのは、水を熱すればお湯になるのと同じくらい当たり前のことを言ってるわけで、まさに「何を言ってるんだお前は」な意見なわけですね。
ただ、それだけで話が終わるわけではない。それは人間が肉体だけの生物ではなく、社会性をもつ生物だから。そして社会においては肉体以外も魅力になりうる。経験とか知識とか権力とか財力とかですね。
最近知ったのですが、閉経するのは人間とシャチだけらしいですね。と思って念のためにググったら、シャチ以外の大型クジラ類でも閉経することはあるらしいし、最近チンパンジーで閉経が確認されたそうです。そうだったのか。
とりあえずシャチで話を進めますが、生物を身体のみでとらえた場合、その究極の目的は子孫を残すことです。逆に言えば、子孫を残せないなら生きてる意味はない。なので閉経という生殖能力を失った状態は生きている意味がないことになります。実際、ほとんどの生物は生殖能力を失って以降は生き残りません。数少ない例外が人間とシャチなどであると。
シャチはポッドと呼ばれる群れを作って生活します。シャチの群れは女系で、ポッドはおばあさんシャチによって率いられます。おばあさんシャチは当然閉経していて生殖能力はないのですが、これまでの長い人生ならぬシャチ生で蓄えた知恵と経験があります。その知恵と経験を生かして群れを導き、また群れの若い個体に知恵と経験を伝承していきます。こういう社会性をもったポッドを構築することから、ポッドでは個々に高度な文化が発達するそうなんですね。その文化は閉経後も長いシャチ生を生きるおばあさんシャチによってなしえていると。
人間も似たようなものです。何十年という長い年月で習得した知恵と経験を後進世代に伝えることを続けてきたことで、現在の高度な文明社会を築き上げてきたわけですね。平均寿命が短かった石器時代はなかなか文明が向上しなかった。それでも少しずつ改善することで生活が向上し寿命も延び、寿命が延びたことで蓄えられる知恵が増えることでさらに寿命が延びというサイクルが回ることで現在の文明が発達した。つまり文明の発達と寿命の延びは両輪であるってことですね。
ということで社会性の生物である人間においては、身体的な魅力のピークである若い時代とともに、社会性がピークになる中高年という魅力のピークがやってくる。ただ、そうした魅力は性的魅力の代替になるわけではないので、性的にもてるようになるわけではないですけどね。「私、おじさんの方が好きなの」って若い女性がいないわけではないけれども、大半はそのおじさんのもっている権力や財力に魅力を感じているのであって、それと自分自身のもっている身体的魅力を交換しているわけですよね。問題があるとしたら、現代社会は男性優位に出来ているので、権力と財力は男性に集中している。なので、中高年男性が若い女性と付き合うという構図が多くなりえるってところでしょうか。真の男女平等社会がやってきたら、同じように中高年女性が若い男性と付き合うことが増えるんじゃないですかね。