友人が「ライトノベルにSFがないってどういう意味?」というので「SFはつまらんって偏見があるので面白い作品は除外している」といったら殴られた
冒頭のツイートはタイトルのまんまなんで解説や要約はいいとして、まとめ内とまとめへの反応が「ツイ主が無教養で狭量」で統一されてるのが怖いな。元ツイートはSFジャンル全体への批判ではなく、単なる個人の嗜好の話なのに、嗜好を批判するってどんだけSFファンは心が狭いのって思うな。それにいくら自分の愛するジャンルを堕とされたからと言って、殴るのは人としてどうかと思うよ。実際に殴ったのか比喩なのか誇張なのかはわからんけど、そこを誰も非難してないのもすげえ怖いね。こういう発言する奴は殴っていいってのがSFファン内での共通認識なんだ。
ところでこのまとめで思うんだけど、SFファンがSFの定義に非常にやかましくてって話は私もよく聞くんだけど、実際に定義にやかましいSFファンってのには会ったことがない。リアルで会ったことがないのは単に私の交友関係が狭いだけなんだけども、ネットでも見ないってのはどうなんだろうね。多分昭和のSF全盛期から衰退期に入ったくらいには山ほどいたんだろうなぁという気はするけど、最近はさすがに減ってきてるというか、そもそもSF界隈に新しい人が入っていってなさそうな気がするというか。いや、あくまでも外野のぼやーっとした意見なんで実態はわからんけれども。昔には存在しためんどくさいSFファンがあまりにもやらかしてたので、今でもそれが伝説として言われてるとかそんな感じかなとお思った次第。
というところだったんですが、たまたまタイムラインにこんなツイートが流れてきまして。
>RT
— 有川ひろと覚しき人 (@arikawahiro0609) October 15, 2023
俺が「図書館戦争」で星雲賞もらったとき「あんな駄作に星雲賞をやるなんて!」ってゴリゴリ怒ってる人がネットで散見されてネー。
よっぽど辞退しようかと思ったけど授賞式は担当さんに代理で行ってもらって、この界隈には一生近づくまいと思ったことでしたヨー。
ちょい思い出したナー。
昔話16
— 今岡清 (@k_imaoka) August 8, 2023
私は石頭なんだろう、SFマガジンにふさわしくないと思うと売れっ子作家の作品でも掲載しなかった。栗本薫の「時の石」、高千穂遙の「変態の方程式」、梶尾真治の「包茎牧場の決闘」等々。そればかりかガンダムまで掲載を断った。後でいろいろ言われたけど、いまでも間違ったとは思ってない。
うわぁ。これガチだよぉ。ガチでやらかしてるよぉ。
この人自体はSFマガジンの元編集長ということなので、あくまでもSF界隈の一つの雑誌の掲載方針と言えなくもない。例えばジャンプの編集長が「この漫画はジャンプには載せない」と言っても、マガジンやサンデーに載せるという手はあるので作品自体の否定にはなってない。あくまでも漫画界隈の雑誌の一つのテイストの話に収まることが出来る。ただ、SFマガジンはそうじゃないですよねぇ。事実上SF界隈で存在する経典のような位置づけになっているので、SFマガジンがSFの定義を決めているといっても過言ではない。その編集長が自ら「あれはSFではない。これもSFではない」とSF定義論争をやらかしてるのか。すいません、リアルでSF定義論争やらかしてる人を初めて見ました。ていうか、令和の今になってもその考えが変わってないのか。ある意味凄いな。そしてSFファンというのは少なくとも日本ではSFマガジンを定期購読している人とニアイコールなので、SFファンはこういう言説を当然と思っていると。うわぁですね。
正論としてはSFファンがいくらひどくても、SF作品自体に罪はないし、SF作品が面白いかどうかはSFファンと関係なく決まるってのはあるんですが、SF界隈ってファンと作家の距離も非常に近いイメージあるし、なんか全て丸ごと一つにまとまってる感がなくはないんですよねぇ。この辺、SF作家の方々ってどう思ってるんだろうと思うけど、SF作家もSF大会とかに集まってSFファンと一緒に盛り上がったりしてる感じだから、SFファンと認識は一緒なのかなぁ。
あと個人的に思うのは、ファンがめんどくさいからジャンルも嫌いってのはわりと個人の感想としてはあるんじゃないかなと思うんですよ。例えばジャニオタがうざいからジャニーズアイドルも嫌いとか。あとはクラスの嫌な奴がファンだったからそのアーティストにもいい感情を持たないとか。それってわりと普通ですよね。それを一般化して界隈自体を攻撃しだしたら異常者ですが、個人の嗜好の範囲の話としては普通の話じゃないかなぁと思うんですよ。だから私としては元ツイートの人のSFファンがめんどくさいからSFジャンル自体が嫌いってのは別になんとも思わないんですよね。