DXとデジタルツインってどっちもデジタル化で重要な概念だけど、実は根本的なアプローチとして相いれない部分があるんじゃないかなと思ったのでメモ。
DXはデジタルトランスフォーメーションのことで、例えばワークフローをデジタル化する際に、既存の紙ベースの処理をそのままデジタル化するのではなく、デジタル化に即したワークフローを再定義することから始めると言われています。ごもっともですね。
一方、デジタルツインは現実世界にあるものをそのままデジタル世界にコピーを作成することを言います。先ほどのワークフローの例でいえば、既存の書類やハンコを全てデジタル世界で再現するってことですね。
例えばですがASCIIコードやJIS78の頃の文字コードってある意味DXだと思うんですよ。現実世界の複雑な文字というモノに対して、当時の限られたコンピュータで扱いやすいように文字体系を簡略化して再定義したわけですよね。一方で、それでは現実世界にある文字で表されている情報が大量に欠落してしまうため、全ての既存の文字を収録するという野心でUnicodeが策定された。これはどちらかというとデジタルツイン的なアプローチかなと思うんです。
もちろんDXとデジタルツインは常に相反するわけではありません。デジタルツインによって現実世界をデジタル化し、その世界の中でDXを実現するというのは、むしろ王道のアプローチでしょう。ただまあ、デジタル化って言った時にそれがどっちのアプローチになっているかってのは意識しておいた方がいいのかなぁと思ったので書き出してみました。