家電製品に対する不満の増田に対してコメント・反論してる。どっちもそれぞれ納得のいくことを言ってるので、なるほどなと面白く読めた。
という本筋とはちょっと離れるけど、家電製品ってその商品特性としてユーザフィードバックによる改良サイクルが回りにくいんじゃないかなと思ってるのでちょっと書きます。
あるユーザが家電製品を買います。実際に使ってみたところいくつか機能的に不満なところがあったとします。次に買い替えるときはこの点が改善されてる製品にしようと思ったとして、その次に買い替えるのって数年後なんですよね。なぜなら家電製品って、買った製品は数年は使い続けるから。そりゃ中には毎年買い替えるって家電オタクもいるかもしれませんが、それは極少数だと思います。
家電メーカーだってユーザの声を聞いて製品にフィードバックはしてるでしょう。でも去年の製品のユーザからの声を反映した今年の製品を買うのは、去年買ったユーザではないんですよね。なのでフィードバックはしているけど、フィードバックループになってない。結果的にフィードバックが不完全で、ユーザにとって本当に必要な機能がなかなか実装されなかったり、せっかく実装されてもそれがユーザに響かない。ユーザも見る目がなかなか育たないので、「実際に使って便利な機能」ではなく「店頭で便利な気がする機能」が購入判断に結びついてしまうんですよね。
こういう特性って「一度買ったら長期間使用して買い替えない」「そのものは同時には一つしか保有しない」という製品によっては起こることだと思います。家電製品の他にも、住宅とか自動車とかはそうなんじゃないかな。そうした製品はユーザフィードバックが不十分だから、結果的に製品としての成熟がなかなか進まないのではないかと想像します。実際にどうかはわかりませんが。
長期間使用するものでも、衣服などは同時に複数保有しますから、ユーザフィードバックが機能するでしょう。今持ってる服のここが不満だから、それが解消されている服を買い足すってのは日常に行われていることですよね。そしてしょっちゅう買い替える日用品などでは、まさにフィードバックループが成り立ってますね。だからって製品が凄く洗練されているというわけでもないのは、なんでかわかりませんけれども。なんか別の理由があるんですかね。
私が働いているウェブ業界などもフィードバックループが出来上がっています。改良して良ければアクセスが増えるなどの良い結果が出る。その改良を毎日のように繰り返せる。更に言えばA/Bテストなど、ユーザをセグメントして比較することもできる。カップ麺などでも地域限定でテスト販売するとかありますよね。こういうユーザテストが出来るのって、短期間で消費できる製品の特性なんですよね。多分家電製品を開発してる人からすると、そんなマーケティングが俺らも出来ればなぁと思ってたりするんじゃないかな。しらんけど。