移住者様ってあるのかな

2023/5/5作成

障害者様とか妊婦様という言葉があります。障害者も妊婦も弱者ですので、社会で生活するには周囲の配慮が必要になりますが、それを逆手にとって周囲が配慮するのが当然と傍若無人に振る舞う人のことだそうです。

私自身は障害者様も妊婦様も見たことがないので、実在するのかどうかわかりません。そういう人も居るかもしれないねぇと思いつつ、ネット民のゆがんだ正義感が作り出した藁人形かもしれないなぁという気もしつつ。この記事の本題は障害者様や妊婦様の実在を問うものではないので、その点はいったんおいておきます。

この記事でなにを書きたいかというと、障害者様や妊婦様が居るとしたら、同じような構図で移住者様というのが存在するのではないかなぁと思った次第です。実在するのかどうかは分かりません。

地方移住というのは大きなテーマになっています。都会への人口集中は深刻で、地方は人口が減る一方です。限界集落として集落単位で存続の危機どころか、自治体単位で存続の危機に瀕するいるところもたくさんあります。なんとか地方から都会への人の流れにあらがうために都会から地方への移住が国や自治体のサポートのもとに大々的に行われています。実際の成果はどれほどあるかっていうと疑問ではあるんですけどね。

もちろん移住が成功して幸せに暮らしている人もたくさんいるとは思いますが、そんな成功例はマスコミにとっては面白くもなんともないわけで、失敗例が好んで報道されるように思います。それも私の勝手な思いこみかもしれませんが、実際のところ失敗例に関する報道はいくつも容易に見つけることが出来ます。

こうした移住失敗例の報道の姿勢もだいたい一貫しているように思います。つまり、モダンで合理的な思考をもった移住者がやってきたのに、非合理的で因習にとらわれて古い考えを捨てられない地元民が移住者にいやがらせをして追い出してしまうという感じですかね。マスコミが好きそうですし、都会民が多い読者層にも受けそうな構図ですよね。

この構図に従う、移住者は弱者です。構図に従わなくても弱者ですので自治体や集落から多大なサポートを受けていたりもします。実際、移住するというのは多大なコストと困難が伴いますから、周囲からのサポートは重要だろうとは思いますよね。

そんな弱者を非合理的な因習や習慣に基づいて追い出してしまう地元民が悪だってのがマスコミやネット民の論調なんですが、それって本当に正しいのかなぁというのが私の疑問なんですね。移住者が弱者であるのは真実だろうし、弱者ゆえに配慮やサポートが必要なのも事実でしょうが、配慮やサポートを受けることを当然として、それらを事実上強要するような移住者がいたっておかしくないかなという気もするんですよ。つまり、障害者様や妊婦様と同様の移住者様ってことですね。

移住者が善で地元民が悪だという単純な二元論の構図はわかりやすいですし、限られたニュース原稿の中で問題を伝えるにはわかりやすく簡略化しないといけないというのもわからんではないです。しかし、一方的に地元民を悪だと叩いてそれですっきりして終わりなのはマスコミとネット民だけであって、自治体も地元民も、そして移住者自身も何にも救われてないですよね。