大人ってなんだろう

2023/1/7作成

よくある子育てのモットーで「人に迷惑をかけない人になってほしい」ってのがありますよね。かける迷惑にも大小があって、認知症になってブレーキとアクセル踏み間違えて何人もひき殺すとかは、まあ迷惑でもかなり大きい方で取り返しもつきません。一方、些細な日常的な迷惑ってのもたくさんあって、こっちは大半が取り返しがついたりもします。

人間が生きて生活していれば多少なりとも迷惑をかけるのはお互い様なんで、むしろ一切迷惑をかけることなく生きてきた人ってのは多分いないんですよね。迷惑を一切かけないということは、それは社会的な活動を一切せずに、他人との関わりも一切断って、引きこもって生活でもしてないと無理なんですよね。引きこもっていたところで生きているということは食べたり排泄したりで、結局は社会との関わりが残っていたりもするわけですし。

とまあ極論を書きつらねましたが、要するに多少の迷惑ってかけないわけにはいかないと思うんですよ。そりゃま迷惑かけることがない方がいいのは望ましいけれども、ゼロにはできない。であれば、迷惑をかけてはいけないというよりも、迷惑をかけたときにそれを認めて後始末ができることの方が大事なんじゃないかなっていうことかなと思います。

もう一つ。自分で何でもできる自立した人間になりなさいってのもあります。これもどうかなと思うんですよ。高度に複雑化した現代社会で、全てのことを自分でできる人なんて多分誰一人居ません。病気になったら一人で治すのではなく医者に行きますし、トラブルに巻き込まれたら警察に相談に行きます。自分で畑を耕して収穫したのではない食物をお店で買ってくるのも自立してないってことになるけれど、まあこれは極論がすぎるか。

そこまでの言葉遊びはともかくとして、何もかも自分で出来る人ってのは多分いないんですよね。であれば必要なのは自分で何もかも出来るようになることではなく、必要なときに必要な人を頼れる能力ではないかなというように思います。だからって、何でもかんでも最初から人をあてにしててもいけないですけれども。