人気飲食店の予約権オークション「食オク」に賛否 運営会社「買って転売ではなく、権利は店から提供」すでに1000人超登録
人気で予約がなかなか取れない飲食店の予約をオークションで購入できるサービスとのこと。これ、なかなか良く考えられているし、他のジャンルについても転売屋対策として有効なのではないかなと思ったのでちょっと書いてみます。
モノの価格は需要と供給で決まります。需要が多くて供給が増やせるなら増やすんですが、オーナーシェフの飲食店の席数はそう簡単には増やせない。であれば需要がある分だけ価格があがっていくのが市場なんですが、やたらめったらと価格をあげるというわけにもいかない。結果としてなかなか予約が取れないってことになるわけですね。まあ、その予約が取れないことも話題を呼ぶ手法として使ってる面もあったりもするんでしょうけれども。
一方で消費者側としてはお金は払ってもいいから利用したいってニーズもあるわけですね。お店としては一律に値上げしてしまうと以降もずっと値上げした値段になってしまっておいそれとはできないところに、この食オクが間に入って一時値上げサービスを請け負うという構図ですね。
需給のバランスがとれるところまで価格をあげる経済の原則に従うとしても、お店側としては値上げするのは店のイメージ悪化にもつながるという問題もありますよね。また、一度値上げすると容易に下げれないってのもあるし。そこの問題を食オクというクッションを挟むことで解決しているのがこのサービスかなと。値上げするイメージの悪化は食オク側が主にかぶってくれますし、そもそもオークションであるということで入札者も責任の一端を担ってくれる。オークションで吊り上がった価格は1回限りの落札価格でしかないから、次回のオークションで落札価格がさがったとしても、店の価値がさがったというイメージも付きにくい。
食オクは飲食店向けですが、これって世の中の入手困難で転売屋の餌食になっているサービスや商品に適用してもうまくいくんじゃないですかね。転売屋対策の一番簡単で確実な方法は値上げなんですが、サービス提供側としてはそう簡単には値上げできない。飲食店の場合と同じく、企業イメージの悪化もあり得るし、上げた価格を将来下げることも難しくなる。でもオークションであればこれらの問題は解決できる。オークションで値上がりした分を食オクが全部取ってしまうなら転売屋と同じですが、手数料を差し引いて元のサービス提供側に渡されるのなら転売屋ではありませんしね。未だに転売屋の餌食になっているPS5とか、一部をオークション形式で販売すればいいんじゃないですかね。