キラキラ起業とは「日常生活で満たされない承認欲求を満たすビジネス」のこと。
「平凡なわたしが起業して社長になりました」系のセミナービジネスが、起業で成功することではなく承認欲求を満たすためのツールであると喝破してます。なるほどなるほど。そういうことか。
この理屈で言えば、何もキラキラ起業に限った話では無いですね。ネトウヨさんを始めとするネット政治活動家を扇動するのとか、マルチ商法だとか、カルト宗教だとかも、同じ構図で読み解くことが出来ますね。
これらは要するに、何者にもなれなかった平凡な人に対して、インスタントに回答と居場所を与えてくれるわけですよね。インスタントに回答を求める人に対して、インスタントに回答を与えてあげるわけだから、需要と供給がマッチしてて、当人たちがそれで満足ならそれでええやんって考え方ももちろんあるんですが。数年後、目が覚めて大変な目にあったけどそれもいい経験だったなと思えるならいいんですが、ただ単にお金と時間を浪費して、おまけに職とか家族とか大事なものを失ったりしたら、それこそ取り返しがつかないですよね。そう考えると、SNSでのいいねのためにスタバの新作ドリンク飲んでるのなんて平和で無害だなぁと思わないでもない。
これ、要するに「人生とは何か」「人生で自分がなすべきことはなにか」といった問題にこれまで真面目に向き合ってこなかったからこそはまるわけですよね。といってもそんな大変な問題に真面目に向き合ってる人なんて実際には一握りなわけです。一方で、そんな難しいことどうでもいいよといって、目の前の仕事に一生懸命取り組み、家族を大切に人生を過ごしてる人もたくさんいるわけでして、むしろそちらの方が幸せなのではないかと思ったりもするわけですね。何事もそうかもしれないけど、中途半端が一番ややこしい。
本人が望んでお金と時間を投資してるなら自己責任だというのも考え方ではあります。オンラインサロンの主催者がそうして養分となった人間から搾取してるのは、はたから見てると気分悪くなりますが、私のあずかり知らないところで勝手にやってる分には好きにしてくださいとも思えなくはない。問題はネット政治活動家とかカルト宗教とかで、社会に実害を与えてる方ですかね。こっちは好き勝手にやっててくださいとは言えない。だからどうしたらいいのかってのも分からないのですが。
ネットの識者からはこういう人たちって情弱と切って捨てられて終わりなんでしょうけれど、社会に対して実害を与えるのなら、情弱と切って捨てて終わりってわけにはいかない。世の中にはこういう何者にかなりたくてインスタントな回答を求めている承認欲求の化け物が相当数いるのが間違いないわけで、搾取する側の人たちはそれに気づいて行動してるわけなんですよね。それに対して社会の側は無策ってわけにもいかないんじゃないかなぁと思います。