コミュニティバスの課題感

2022/6/1作成

私は現在東京の周辺地域に住んでいます。郊外というほどではない。かといって都心でもない。その中間くらいのところです。

鉄道は通っていますが縦横無尽というわけではないので、鉄道だけでは移動できない場所もあります。鉄道を補完するために路線バスが走り、路線バスでも埋めきれないところは自治体がコミュニティバスを運行しています。まあ、よくある話ですね。で、そのコミュニティバスの使い勝手がイマイチだなぁという話です。

なにがイマイチかというと、乗換案内サービスでコミュニティバスが候補にあがってこないこと。これはまあ自治体の責任というよりも、乗換案内サービスの問題なんですけどね。ただ、バス路線って全国に膨大な数があるので、そのデータ化って大変らしいんですよね。近年、この問題は改善が進んできて、ようやく地元のコミュニティバスも路線案内サービスで候補にあがってくるようになりました。データ化にあたられた関係各所の方にはお礼申し上げます。

とりあえず地元については乗換案内に登録されたんですが、登録されるまでは当然ながら候補に出てきません。出てこないなら、なんらか他の手段で知らない限りはコミュニティバスを利用できないんですよね。その路線の地元の人にとっては当たり前の情報ですから毎日利用してるのかもしれませんが、問題はたまに利用したいと思ってる私のような人です。

現代ではネットの地図サービスが充実してますから、初めて訪れた土地で食事をしたいと思ってもすぐにスマホで検索して探し出すことが出来ます。昔なら、通りから看板が見える店に入るか、ホテルのフロントで聞いてみるくらいしか方法が無かったんですが。便利になりましたね。同じことが移動手段にも言えるわけです。初めての移動経路を調べるとき、乗換案内サービスで調べて出てくればOK。でもそこに出てこなければ、その経路は存在しても利用できないのですよ。せっかくコミュニティバスが走っているのに。

ネット強者の人からはそんな情弱は知らんと切って捨てられるかもしれませんが、問題は情弱の個人的な問題に収まらないんですよね。コミュニティバスの利用者が増えないために、コミュニティバスの存続自体が危うくなるという可能性もあるんですよ。毎日利用する地元の人だけをターゲットにしてたら不十分で、たまにやってくるスポットの利用客も利用すれば、コミュニティバスの持続性も高まるわけですね。そのためには、知らない人にコミュニティバスの存在を知らしめるための努力が必要と。

でまあ、自治体ってこの手の広報がうまくないよねぇというのが課題感です。そりゃま当然広報はしてますよ。チラシ配ったりポスター貼ったりとか。でも、民間企業がマーケティングを行うようにはリーチ活動をしっかりしているわけではない。先ほど挙げたユースケースを考えると、初めての利用者は乗換案内サービスを使って検索するだろうから、そこにコミュニティバスの路線情報を提供すればリーチするというようなことは、自治体では多分やってない。下手にやろうとしても、特定の民間企業に情報提供するのはいかがなものかというようなクレームが入ってしまうことを恐れて出来ないという事情があるかもしれない。ともあれ、結果として事業者が自力でコミュニティバス情報をデータ化するまで、利便性は向上しないことになってしまっている。そんな感じの構図かなぁという気がします。例によって、だからどうしたらいいんだって解決策はないです。とりあえず現在こんな課題があるんじゃないかなと思ったので書き出してみたまでです。はい。