大人への階段のいろいろ

2010/8/20作成

大人と言われるまでには、様々な段階と言いますかハードルがあります。法律で決まっているものもありますし、慣習的に決まっているものもあります。とりあえず、パッと思いつくものをここに挙げていってみたいと思います。

まず思いつくのは15歳です。中学卒業です。義務教育が終了します。今ではほとんど居ないでしょうが、この段階で就職する人も居ます。お相撲さんとかだと、今でもありますよね。就職して社会人になったからと言ってすなわち大人というわけではありませんが、子供でもないと思います。

次に思いつくのが16歳。女性は結婚できます。未成年が結婚するには親の承諾が必要ですが、結婚してしまえば法律的には大人として扱われることになります。

その次は18歳。男性も結婚できるようになります。もう一つは高校卒業。この段階で就職する人は結構居ることでしょう。中卒で就職した人と同じく、ある意味での大人と言えます。

そして真打である20歳。法律的に成人とみなされます。具体的には、選挙権が与えられるのと、酒とタバコが許されるようになるのが主な点ですけれど。

ここまで色々挙げてきて何が言いたいかと言いますと、大人というのに随分と年齢の幅があるなぁということです。ここに挙げなかった以外にも、実際には他にもたくさんありますよね。少年法とか。でですね。私は思うんですけれど、これを思い切って整理してしまって統一してしまったら、ややこしいことがなくなってすっきりするんじゃないかと思うんです。具体的には、18歳をもって大人としてはどうかと。

まず義務教育は中学ではなく高校までにする。どうせほとんどの人が高校までは進学するわけですし、今年から高校の授業料が公費で負担されるようになったわけですし、どちらかというと現状の追認に近しいのではないかと思います。

結婚できる年齢も18歳。だいたい、なんで女性だけ16歳で結婚できるんでしょうか。法の下の平等の精神から言っても、男女とも同年齢とするのが妥当だと思います。

そして成人年齢も18歳とする。選挙権も18歳から。酒とタバコは個人的にはどっちでもいいけど。

というようなことを考えるんですが、いかがでしょうか。

(2018/4/30追記)

この記事を書いたからというわけではないでしょうが、ここんところ法律の改正の動きが続いていますね。

すでに起こったこととしては、2016年から選挙権が満18歳以上の人に与えられることになりました。現役高校生が投票に行くということで当初は高校教育と政治との関係で多少の混乱があったようですが、最近はそういう話はあまり聞かなくなったように思います。単にニュースにならないだけで、まだまだ現場は混乱しているのかもしれませんが。

そして何より大きいのは、現在国会で審議中の民法改正案。結婚年齢を男女とも18歳にそろえ、成人年齢も18歳にするというものです。上述の通り、個人的にはそれがもっとも筋が通った状態だと思いますので、大賛成です。

まず男女で結婚年齢が違うというのは憲法で保証された法の下の平等に反します。よほど合理的な理由があれば致し方ありませんし、現在の日本国憲法が施行された当時の社会情勢のなかではある程度の合理性があったかと思いますが、現代においてはほぼその合理性はなくなったといっていいでしょう。16歳とは高校生の年代ですが、高校進学率がほぼ100%の現代においては高校生ということです。その年齢で結婚する人が皆無ではないでしょうけれど、相当に少数であることは確かです。民法が改正されたら17歳以下の女性は結婚できる年齢が先延ばしになってしまうという意味では権利を侵害されるわけですが、実際に16歳か17歳で結婚を予定していた人というのは相当に少数でしょうから、そこは致し方ないかなと思います。

そして何よりも、結婚年齢と成人年齢が一致することによる例外処理の撤廃が大きい。従来、19歳以下で結婚した人でも結婚した途端に成人として扱われるという例外規定があったわけですね。そりゃ結婚すれば大抵は独立した所帯を持ちますから未成年であると不都合がたくさんあるでしょう。しかし、この例外規定によって年齢だけでは成人かそうでないか判断できないという問題が生じていたわけですね。これがなくなるということは、かなりすっきりするのではないでしょうか。

法律とは人間が暮らしていくための道具ですから、あくまでも主体は人間の生活。人間の生活を不便にしてまで法律の整理をする必要はありませんが、今回の場合は不便になるのは17歳以下の女性のみでしかも実質的に不都合は無し。それでいて全ての法律行為の判断において、婚姻の有無を区別することなく年齢のみで成人か未成年かを判断できるようになるわけですから、むしろ人間の生活も便利になる一方だと思うのですね。なので、今回の改正案には大賛成です。