私自身は大学に進学しまして、そしてそれをよかったなと思ってるんですが、そもそもなんで大学に進学したのかってところを少々思い出話をしてみようかなと思います。最初に要約すると、環境大事だよねって話です。
環境、要するに家庭環境ですが、私の両親はどちらも大学に行ってません。大学進学率が非常に低かった世代ですしね。私には姉が居ますが、姉も大学に行ってません。姉の頃にはだいぶ大学進学率も高くなってきていましたが、まあ姉の人生の選択として高卒で働いたんですね。つまり、家庭の中で大学に行った人はいませんでした。加えて言うなら、親戚にも居ませんでした。私が知らないだけで、実は大卒だった叔父さんや従兄弟が居たかもしれませんけどね。
こういう家庭環境で育つとどうなるかというと、大学進学というのがリアルには感じられなくなるんですよ。大学というものが世の中にあるのは知っていますが、自分の身につながって考えられなくなるんですね。ちょうどテレビの中に出てくるタレントさんみたいなもんですね。タレントさんが実際に存在してる人間だというのは分かりますが、自分と地続きの世界に生きている人だという実感はなかなかありません。
そんな私が大学進学を意識したのは、中学の時に同級生と話をしてたときです。別に真剣に進路のことを相談してたわけではなく、休み時間に雑談をしていたときのことです。そのとき同級生が、自分は大学に行くつもりだから、そのためには高校はここを目指しておきたいというような事を言ったですね。そのとき初めて自分の中に、ああ大学に進学という選択肢があるんだってことがリアルに感じられたんですよ。今になって振り返って考えてみると、教師は全員大卒なんで、身近に大卒の人間は居たんですが、それはさっきのテレビの中の世界と同じで、自分の人生に地続きに感じられなかったんですね。でも同級生が言うことで、ようやく地続きに感じられるようになったんです。
その後、同級生が進学した高校からはだいぶランクは落ちますが、それでも一応大学進学を目指せるレベルの高校に進むことが出来、そして大学にも進学する事が出来ました。めっちゃ受験勉強頑張ったってわけではなくて、どちらかというと何となくで受験した大学に進んだんですがね。それでも今までの私の人生は大学に進学して得たものから繋がっていますので、大学に行ってなかったら全然違う人生になっていたと思います。そういう意味では、中学の時の同級生は大恩人ですね。もう会うこともないと思いますので、この場でだけで感謝を伝えておきたいと思います。どうもありがとう。
長々と文章を書いておきながら大した話になってなくて恐縮なんですが、要するに環境大事だなって話です。ネットでもよく話題になるのが、地方在住で家族でも地域でも大学に進学した人がいない環境で育つと、本人がいくら勉強が出来ても大学に進学するという選択肢そのものが現れないということがあり得ると。そこを突破するには本人にとてつもない努力があるか、奇跡的な援助者が現れないと無理なんですね。逆に、都会で身近に大卒者がたくさん居る環境だと、本人にそれほど高い熱意がなくても大学進学という選択をすることが出来る。
大学に進学することで人生が必ず成功するわけではないんですが、現実問題として学歴社会はありますので、大卒であることでその後の人生の選択肢が広がるのは確かなんですね。要するに人生を戦っていく為のカードが手元に増えるわけですよ。都会で暮らして身近に大卒者がたくさんいる環境に居る人は大卒カードを容易に手に入れる事が出来る。地方で大卒者が居ない環境だと大卒カードを手に入れるだけでも非常に苦労してしまう。これが環境の差なんだろうなぁと思います。