私は今は東京の辺境に住んでいます。都心までは電車に乗って移動しなければなりませんが、何時間もかかるわけではありません。最寄り駅は各駅停車しか止まらない非ターミナル駅ですが、駅までは徒歩数分ですので不便もありません。
その最寄り駅の駅前には、かつては賑やかだっただろうなと思われる駅前商店街の跡地があります。まだ現役で商売している店舗もありますので跡地と言ってしまうと失礼ですが、商店街というまとまりとしてはもう機能してないかなとも思うんですよ。
そのかつての駅前商店街には、何十年も経過して古びてしまった店舗と、店舗を潰して立て替えてしまった戸建住宅が入り乱れています。もちろん閉店してしまってシャッターをおろしてしまったままの元店舗もあります。残念ながら、行きかう人もそれほど多いわけではなく、ここで買い物をするのは昔からの住人の一部くらいなんじゃないかなぁと思われます。
商店街が衰退しているからと言って町全体が衰退しているわけでもないんですよ。実際、マンションやアパートは次々と建ってますから、このエリアの人口は相当なものだと思います。その点が人口自体が衰退している地方とは違うんですね。でも人は居るけど、商店街は賑わっていない。商圏人口は十分なのになぜだろうと思ったのがこの記事です。
とりあえずN=1の事例でしかないですが、自分自身の買い物行動を振り返ってみます。普段の買い物は圧倒的に通販です。書籍を本屋で買うことはなくなりました。秋葉原だって電車で行くのはそれほど遠くはないのですが、電化製品もPC用品も大抵は通販で買ってます。日用品や食料品も宅配生協で大半をまかなっています。不足するものは近所のスーパーでも買いますけどね。コロナ禍でネットスーパーが随分と普及したそうですから、同様の方も多いのではないでしょうか。通販ではなくリアルな店舗で実物を見て買い物をしたいとなったときも、やはり近所の商店は利用しないです。服を買いたい、電化製品を買いたいなどなどというとき、選択肢としてあがるのは数駅先のターミナル駅にある大型専門店です。東京辺境ですからこうなりますが、地方だと幹線沿いの大型ショッピングセンターになるんでしょうね。結局自分の消費行動を振り返ってみて、近所で買い物をするのってコンビニくらいでしかないんですよ。あとはスーパーとドラッグストアがたまにくらい。これでは駅前商店街も衰退しますよねぇ。まあ、あくまでも私の場合の買い物行動についてでしかないのですが。
多分ですが、この消費行動の変化は不可逆だと思うんですよ。個人の商店主の努力で変えられるものではない。経済紙には「山奥で行列のできるパン屋がある。やり方次第だ」ってありますけど、そんな特殊例を1例だけ持ち出して来られても、平凡な商店主はマネできないわけですよ。この辺が気になってしまうのは、私自身の親が個人商店主だったからでもあるんですよね。今はもう引退してしまって商売していませんけれども。実家はまさに今は衰退してしまった駅前商店街の一角でしたので、今の住まいの近所の駅前商店街の景色はとてもリアルです。
ということで、個人的にはもう駅前商店街は復権しないと思ってます。今でも行政が駅前再開発とか言い出すと商業ビルを建てて有名テナントを入居させたりしますけど、もうそういうのは流行らないんじゃないかなぁ。だからって、どうしたらいいんだって答えも持ち合わせてないんですが。