なぜ男性育休が取れないのか

2021/11/25作成

男性の育休「促進の予定なし」と経営幹部の半数が回答 「取得するなら退職しろ」とは酷すぎる!

法律で男性育休が義務化されたって、代わりの人員を配置できないから対応できないよっていうのが世の多くの経営者の意見だそうです。でもそれってそもそも認識が違ってるんじゃないだろうかと思ったので書き記します。

ここで経営者や管理職の方々は昭和の時代にサラリーマンになった世代だろうと思われます。「俺たちは子供が小さかろうが親が介護が必要になろうが、一切会社には迷惑を掛けずに働いてきたぞ。なのに今どきの若者はなんだだらしない」って思ってるわけですね。でもそれって昭和のサラリーマンが立派で、令和のサラリーマンがダメだからでしょうか。違うんですよね。昭和の時代には、夫であるサラリーマンの背後に、家庭のことを一切切り盛りしていた専業主婦の妻が居ました。その専業主婦のバックアップがあるから、夫は仕事に邁進できたんですよね。これ、言ってみれば企業は夫だけを雇っているのではなく、妻も含めたツーマンセルを雇用していたと言っていいと思うんですよ。フロントマンである夫と、バックアップである妻がセットなわけですね。

でも今は夫婦共働きが当たり前の時代です。共働きの理由も家庭によって様々ですが、企業が十分な給料を払っていないというのも理由の一つですよね。つまり、企業は夫婦というユニットを雇用するのをやめて、夫ただ一人を雇用するように変わっている。となると、夫はバックアップが居ませんから会社の仕事以外に家庭のこともある程度しなければいけません。だって妻は妻で働いてますからね。これ、今どきの若者がだらしなくてダメなんですかね。違いますよね。ダメなのは今どきの会社ですよね。

まとめますと、昭和の時代には企業は実質的に夫婦二人をセットで雇用していた。令和の今は一人しか雇用しなくなったのに、その一人に二人分の働きを求めているということです。時代が変わったとか、今どきの若者はとかそういう話ではなく、単に企業の雇用方法が変わったんです。そのことを認識出来てない経営者が一番ダメってことですね。

というか、とても不思議なのはなぜ育休期間中の代わりの人員配置が出来ないんでしょう。短期間で企業が自由に解雇できるように非正規化を推し進めてきたわけですよね。氷河期世代以降の30年近く、企業が非正規化を要求し、法律も社会もそのように変わってきました。なのにいざ非正規雇用でしのげる問題が出てきたら、出来ないと言い出す。どういう理屈でそうなるのか教えて欲しいです。