最初に大きく警告しておきますが、この記事を書いているのは医療の専門家でもなんでもありません。ただの素人です。書かれていることに信憑性は全くありませんので、ただの一般人の一意見として以上に受け取らないようにお願いいたします。
日本ではコロナウィルスワクチンはまず医療関係者から接種され、次に高齢者に接種されました。高齢者は重症化しやすく死亡率も高いからということでした。高齢者に対する接種は7月末にはほぼ8割の方に2回接種が完了しています。これによってコロナ感染者が増加しても死亡率が下がっているという話がありつつ、一方で若年者の死亡者が増えているという話もあります。結局一体どっちなんだということを自分なりに調べてみたのがこちらの記事です。
まずデータの出ところですが、厚生労働省のオープンデータです。元のデータは単日の検査陽性者数と累積の死亡者数になっていますので、単日の死亡者数を算出したりと一次加工しています。
さて死亡率を算出するのにどうするか。単純に今日までの累計の死亡者数を累計の検査陽性者数で割りたいところですが、これはあまりうまくない方法だと思います。というのは新型コロナ感染症は検査陽性になってから死亡するまでそれなりの日数が掛かるからです。極端な話、最初の検査陽性者が出てから最初の死亡者が出るまではずっと死亡率は0%ですから、この期間だけで判断したら新型コロナ感染症は全く危険の無い感染症ということになってしまいます。死亡者が出て以降も、感染拡大期には言葉は悪いですがまだ死んでない人が多数いるため死亡率は下がってしまい、感染収束期には死亡率があがってしまうことでしょう。これでは純粋な死亡率の推計にはなりません。同様に単日の死亡者数を単日の検査陽性者数で割るというのもよくないでしょう。
本当の死亡率を知るには、検査陽性者一人一人を追跡し、その人がお亡くなりになったのか、それとも回復したのかを確認しなければなりません。しかし、そんなセンシティブなデータが公開されることがあるわけはありませんので、ただの一般人の私に出来ることは公開されたデータから推測値を出すだけです。
結局私がどうしたかというと、まず検査陽性者数と死亡者数をそれぞれ過去7日間の累計を計算しました。7日間というのは、検査陽性者数は曜日ごとに変動が大きいために週単位で比較されることが多いからです。死亡者は曜日による偏りは無いとは思いますが、条件を揃えないといけませんのでこちらも7日間です。
そして、検査陽性になってから死亡するまでの平均が30日と仮定して、7日累計死亡者数を30日前の7日累計検査陽性者数で割ってみました。この30日というのは全くの勘です。少し調べたのですが、検査陽性となってから死亡までの平均日数というデータは見つからなかったんですね。実際にはばらつきが多くて平均を出す意味があまりないのだろうとも思いますが。でもなんらかの方法で日数を決めないといけないので、検査陽性者数のグラフと死亡者数のグラフを見比べて、大体1か月くらいのずれがあるかなぁと思ったので30日としたわけです。陽性者数と死亡者数の相関をとって最適な日数差を決定した方がいいとは思いますが、所詮は素人の片手間統計なので、この程度のお手軽もご容赦ください。
という長い前置きをおいての死亡率推移がこちらのグラフです。
2021年1月以降としたのは、それ以前は数値が跳ね上がってしまってグラフとして見にくくなってしまう期間があったからです。主目的はワクチン効果の観察ですから、ワクチンの接種が始まってからの期間だけを見ることも正しいと思います。
グラフをみますと、死亡率低下の傾向がはっきり出ていますね。当初は1%から3%程度の範囲で推移していましたが、6月以降は減少をたどり現在は0.5%以下まで下がっています。死亡率は引き続き減少する様相をみせていますから、死亡率だけをみると「コロナは風邪」とまではいかなくても「コロナはインフルエンザ並み」くらいは言えるかもしれません。あくまでも素人が適当に計算しただけの結果からの話ですが。
当然ながら死亡率の低下の原因がワクチンだけとは限りません。医療体制の整備や治療法の進歩もあるでしょう。何事もですが、たった一つの原因で決まるとは限らず、複数の要因が重なり合って結果に繋がっていると考えるのが妥当だと思います。でもやっぱり主要因はワクチンだとは思いますけれどね。
今回のグラフを作成するのに使った統計データはこちらになります。今後もしばらくはデータを更新し、死亡率の推移をみていこうと思います。
(2021/11/1追記)
第5波の終了を緊急事態宣言が解除された9月末だとして、それから1カ月経ちましたので第5波の死亡率の推移を確認してみたいと思います。
この記事を最初に書いた9月11日以降も死亡率はぐんぐん下がって、最低は0.17%を記録しました。しかしその後は少し上昇し、大体0.5%程度で推移しています。
ではコロナの死亡率は0.5%になったのかというと、そんなことはありません。上でも書いた通り、ここで述べているのはあくまでも感染者数と死亡者数から推測している死亡率でしかありません。実際の死亡率は厚生労働省や感染症研究者の方々が把握してらっしゃるでしょうから、将来どこかで発表されるのを待ちましょう。
上で書き忘れていたので追記を一つ。30日乖離というのは勘で決めたのですが、時期によってはこの期間は更に変化する可能性があると思っています。例えばコロナが広がった初期には治療法も見つからず、感染者が短期間でなすすべも亡くなって、感染から死亡までの期間は今よりも短かっただろうと思われます。その後治療法が確立してくるに従って、感染から死亡までの期間は長くなっていったでしょう。今後、医療法や治療薬の進化で、この期間は更に長くなると思われます。また、非常に書きにくいことですが、感染者の属性によっても変化すると思われます。高齢者の場合、感染から亡くなるまでの期間は短いだろうと思われますので、高齢者の感染者割合が多い時期には死亡までの平均期間も短くなる傾向にあるでしょう。第5波では高齢者にワクチンが普及したために、重症者や死亡者に占める中年年代の方の割合が増えたそうです。おそらく中年の方々は高齢者に比べると体力もあるために、最終的に亡くなったとしてもそれまでの期間が長くなっていただろうと想像されます。であれば、中年の占める割合が増えるに従って、平均の亡くなるまでの期間も長くなっていったでしょう。
何が言いたいかというと、30日乖離というのはあくまでも一つの側面でしかないということです。真実から全く遠いところにあるわけではないでしょうが、真実そのものを示しているわけでもないでしょう。