リモートのプレゼンって難しいよね

2021/5/18作成

コロナ禍において一気にリモート化が進み、仕事においてテレビ会議が一般的になりました。私も日々の仕事では基本的にフルリモートワークになっていて、全ての会議はリモートになりました。リモートの会議の中には1対1や少人数で話し合うほかに、一人の発表者の説明をみんなで聞くプレゼンやセミナー的な会議もあります。仕事に限らす、リモートの勉強会とかもそうですね。で、後者の少数の発表者の発表をみんなで聞くスタイルってどうにも聞いても理解しにくいなぁ、終わった後で結局何が言いたかったのかよくわからないなぁってことが増えてるなと気づいたので少し考えてみました。

理由の一つとして、みもふたもない話ですが、他のウィンドウでSNSとかをつい見ちゃっててのは正直あります。話をちゃんと集中して聞いてなくてすいません。会議室なりセミナールームなりに集まってるとその場の醸し出す緊張感で集中して聞けるんですが、自宅でだとそこまでの緊張感が保てないってのはあると思うんです。はい。単に私の集中力が無いことのいいわけでもあるんですが。

という聴衆側の問題とは別に、発表者側の問題もあるような気がしたんです。それは、リモートだと発表者は聴衆のリアクションを受け取ることができないこと。会議室なりセミナールームで発表してると、発表者は聴衆の様子を確認しながら話せます。聴衆が一言も発言してなくても、表情とか目線とかで、今興味をもって聞いてくれてるなとか、ぽかんとしてるから説明がわかりにくかったのかなとかを確認することができます。でもリモートだとこれが全くできない。チャットで積極的にリアクションしてくれればいいけど、そんな親切な聴衆はそうそう居ないし、居たとしてもチャットによるバーバルコミュニケーションはノンバーバルコミュニケーションの情報量にはとてもかなわない。結果として発表者は聴衆をおいてきぼりにして一方的にしゃべってしまい、聴衆は結局何を言ってたのかよくわからなかったって結果になってしまうのかなと思うんです。

これ多分映画やテレビが出始めたときにも起こった問題じゃないですかねぇ。それまで舞台で観客の前で演じてた役者さんや芸人さんが、無観客でカメラの前で演じなきゃならなくなった。多分相当に戸惑ったと思うんですよ。今でもバラエティ番組では少数の観客を入れて収録することがありますが、多分観客を入れるのって観客からのリアクションを見ながら演じられることがメリットだからじゃないですかね。

とはいえ、役者さんや芸人さんはプロですし、映画やテレビの歴史も既に長いですから、そこで培われたノウハウも膨大でしょう。だから今は映画やテレビを観ててわかりにくいなと思うことはない。YouTuberさんの動画も比較的見やすいですよね。まだ歴史の浅いYouTubeですが、し烈な競争もあってか視聴者に伝えるためのノウハウが高速に蓄積されたのではないかと思います。一方、一般の社会人はリモートワークが普及しだしてまだ1年ちょっとですし、無聴衆でしゃべることのノウハウもまだまだ蓄積が不十分。いずれノウハウも蓄積されるまでの過渡期の問題なのかもしれません。とりあえず自分が発表者になるときは、見えない聴衆のことを少しでも意識して話そうかなと思います。