大坂なおみ“ラケット破壊”の波紋 元プロが明かす「批判されても叩き続ける理由」
大坂なおみ選手のラケット破壊問題についてだけど、元プロテニス選手の神和住純さんのコメントがひどい。要約すると「テニスはメンタルの影響するで特別なスポーツなのでラケットを破壊するのは仕方ない」だそうです。ラケットを破壊するのは仕方ないってのも酷いけど、テニスがメンタルで特別なスポーツって認識もひどいなぁ。むしろ、メンタルの影響しないスポーツなんてあるのか。元プロ選手であればそりゃテニスに特別な思い入れがあるのは当然だろうけれど、だからって他のスポーツを見下していいものではない。演劇以外の産業を見下してる平田オリザさんにも通じるものがあるね。一方で、昔はミスジャッジが多くて選手が激しく抗議したことで審判が変わってきたとか、選手とてマシンでは無くて人間なんだから完全無欠を求めず、欠点を含めた人間臭さを見て欲しいというのは、なるほどなとは思う。
この問題って多分非常にシンプルだと思うですよ。記事中に触れられてるマッケンローが元祖かどうかは知りませんが、ともかく昔のスタープレーヤーが試合中にラケットを壊してた。それを見てた他の選手やジュニアプレーヤーがマネをするようになった。多分それだけだよね。だって、他のスポーツでこんなに道具を粗末にしてることが話題になることなんてないものん。
そして大坂なおみ選手が批判されてるのもそこだと思うんだよね。これがランキング下位の泡沫選手だったら話題にもならない。間違いなく当代のトッププレーヤーである大坂なおみ選手だから、他の選手やジュニアプレーヤーの手本になることが求められている。これが大坂なおみ選手が「私は単にテニスがうまいだけの人間であって、他人の手本になんてなるつもりがない」というキャラで通してるならまた話は別。その認識が世間に行き渡れば、ラケットを破壊しても大坂なおみ選手がまたやってるよで済むようになるかもしれません。でも大坂なおみ選手は違う。BLM運動を始めとして政治的な発言も積極的にして、世間に大きく影響を与えようとしている。つまり、今大坂なおみ選手がやってることは「黒人もまた生きている」と主張するのと並行に「試合中にイライラしたらラケット壊してリセットすればいいのよ」と他の選手やジュニアプレーヤーに示していることに他ならない。だから批判されてるんだと思います。