すいませんすいませんすいません。煽ったタイトル付けてしまってすいません。自分が4Kモニターを買ったもんだから浮かれてしまったんです。すいません。
ということで、自分が4Kモニターを買ったので、買うにあたって調べたり考えたこと、買ってから実際に使ってみて感じたことなどをまとめてみたのがこの本です。値段もこなれてきて普及価格帯に入ってきた4Kモニター。これから買おうという方にとっては少しは参考になると幸いです。
4Kモニターとは何か
知ってる人には当たり前のことですが、一応そこにも触れておきましょうか。4Kモニターっていったい何と。
モニターはパソコンの画面ですが、4Kモニターはこのモニターの解像度が4Kということです。Kは1000を表すので解像度が4000ということですね。具体的には横方向に画素が4000あるわけです。が、正確には4000はなかったりします。3840しかありません。なら4Kとちゃうやんってことなんですが、そこはだいたい4Kということで定着してしまってますねぇ。
これはもともとは2Kモニターというのが原因だったんですよね。いわゆるフルハイビジョンの解像度が横に1920画素なのに対して2Kと言ってしまった。2000と1920だったらだいたい同じかなと思えたところですが、その2倍だから4Kと名乗ったけど実際には3840画素だから、だいぶ足りひんやんと。でも今更どうしようもないんでしょうねぇ。7680画素で8Kモニターって言ってしまってますし、16Kモニターでもきっと踏襲されるのでしょう。
ちなみに約4000画素あるのは横方向だけです。縦方向は2160画素しかありません。
DPIか大きさか
4Kモニターを選択する場合、大きく分けて二つの方向性があります。それはDPI指向か大きさ志向か。
まず前提として、現在もっとも普及していると思われる20インチ2Kモニターを考えます。ここから4Kモニターに移行する場合に、サイズをそのまま20インチにして画素数だけ4KにするのがDPI志向です。逆にサイズを倍の40インチにするというのが大きさ志向です。もちろんその中間もあり、27インチや32インチの4Kモニターが該当します。DPI志向と大きさ志向のいいとこ取りですね。
DPI志向の場合、モニターの大きさ自体は20インチで従来と変わりません。画素一つ一つは今までの4分の1の大きさになります。そのまま表示したらウィンドウサイズもフォントサイズも4分の1になってしまって、とても読めたものではありません。そこで従来1画素で表示していた情報を4画素で表示して精細にするわけですね。つまりDPIを上げるわけです。従来でしたらカクカクと表示されていたフォントも滑らかに表示されるようになります。iPhoneやMacでいうところのRetinaという奴ですね。これは見た目が綺麗になるだけでなく、目に優しくなりますので、長時間のパソコン作業をしても疲れにくくなる効果もあります。
一方で大きさ志向です。こちらはモニターの大きさが物理的に2倍になります。画素の大きさは変わりませんので、今までのウィンドウやフォントの表示される大きさも変わりません。モニターが大きくなりますので、一度に表示される情報量が多くなります。モニターの大きさはすなわちデスクトップの大きさなわけでして、デスクトップが大きくなると大きな机を使えるようになるのと同じような効果が得られます。一度にたくさんのものが置いておけますし、大きな図面を広げて一望することもできますので作業効率がよくなります。これがパソコンの画面で出来るようになるのが大きさ志向です。
DPI志向と大きさ志向のどちらがいいかはもちろん決まっていません。その人ごとに、用途や好みで決めるべきことです。私自身は大きさ志向でして、実際今回購入したのは43インチ4Kモニターになります。ですので以降は大きさ志向を中心に記述していきます。
2Kモニター2枚ではダメなん?
先ほど20インチ2Kモニターが普及してると書きました。新品でも1万円程度とかなりこなれた値段になっていますので、手軽に購入できるようになりました。実際に20インチ2Kモニターを使ってらっしゃる方も多いでしょうし、これを2枚買ってデュアルモニターで使用されてる方もいるでしょう。2Kモニター1枚はともかく2枚使っているとかなり快適ですし、実際満足してらっしゃる方も多いと思います。20インチ2Kモニター2枚で十分ではないかという意見もあるでしょう。
ここは非常に意見が分かれるところだと思います。先ほどDPI志向か大きさ志向かで分けましたが、複数モニター派と巨大シングルモニター派というのもモニターの使い方として分かれるのです。これも各人の好みもしくは使い方によるのです。ちなみに私は巨大シングルモニター派です。
複数モニター派の使い方は、各モニターにそれぞれ別個のウィンドウを表示するというものです。極端でわかりやすい例としては、デイトレーダーの方の使い方でしょうか。2枚どころか4枚以上のモニターをずらっと並べ、それぞれのモニターにチャートを表示して同時に確認できるようにしています。このような使い方の場合、モニターが分かれている方が便利でしょうね。
一方、巨大シングルモニター派の使い方の一つは、単独のアプリケーションを全画面表示する方法です。例えば表計算ソフト。私のパソコンで今Libre OfficeのCalcで新規ドキュメントを作成して全画面表示してみたところ、横方向にはBH列まで、縦方向には154行まで表示することが出来ました。表計算ソフトで横方向に列が増えていくと、1行のデータを確認するのに横スクロールを何度も繰り返さなければならず非常にストレスになります。でも巨大シングルモニターではこの横スクロールの頻度が激減するか皆無になるのです。これはとても快適ですよ。同じことはお絵かきする人や写真を撮る人にも言えると思います。大画面で一望して表示することで、従来は気づかなかった点が見えてくるのではないでしょうか。実際、私は自分が撮った写真を巨大4Kモニターで表示してみて、随分印象が変わることを実感しました。写真をポストカードサイズにプリントしたのとポスターサイズにプリントしたのでは、受ける印象も随分と変わりますよね。そして全画面表示で一度は体験してみて欲しいのは地図表示です。高精細な縮尺の地図が広大な領域にわたって一望できます。これは本当に一見の価値ありですよ。一度やってみたら病みつきになること請け合いです。
もう一つ巨大シングルモニター派として主張しておきたいのは、ウィンドウ配置の自由度です。複数モニターの場合、ウィンドウ配置はモニターの大きさと配置に制限を受けます。このウィンドウは二つのモニターにまたがって中央に配置したいなと思って実際に置いてみても、間にモニターの境界があって一つのウィンドウとして繋がっては見えません。巨大シングルモニターではそういう制限は一切ありません。モニターの中であればどこにでも、どんな大きさでもウィンドウを配置することが出来ます。
複数モニターでも3枚以上となるとまた別なのですが、2Kモニター2枚だと、ウィンドウを置く場所が足りないという話もあります。2KモニターもかつてのVGAやXGAと言ってた頃に比べれば巨大な表示エリアなのですが、現代ではコンテンツの情報量もどんどん増えてきていますから、2Kモニターでは複数のウィンドウを並べて表示するということは少々厳しくなってきています。つまり2Kモニター2枚だと、同時に表示できるウィンドウも2つまでとなってしまうのです。これでは複数のウィンドウを並べて見比べながらの作業には少々厳しい。2Kモニター2枚環境で3個以上のウィンドウを表示するためには、ウィンドウを小さくして並べるか、ウィンドウを重ねるかしかありません。ウィンドウを小さくするとコンテンツが一度に表示しきれなくなり、スクロールバーを多用することになります。ウィンドウを重ねると隠れた部分が出てきてしまい、そこを表示させるためには都度ウィンドウの表示順を切り替えなければなりません。この作業を常に行うのってかなりのストレスです。ですので、モニターは3枚以上とするか、巨大シングルモニターとするのが作業効率上重要だと私は考えるわけです。
どこに置くの?
巨大シングルモニターを置くとして、実際にどこに置くかは気になるかと思います。が、これについては実は心配はそんなにいりません。
4Kモニターにも50インチ以上のクラスもあります、そちらはまた話が別ですが、今回私が購入したのは43インチです。後述しますが、パソコン用のモニターとして実用になるのはこのサイズまでですから、50インチ以上のモニターのことはとりあえず考えなくて大丈夫です。
43インチというと巨大なイメージですが、実際の所としては20インチが横に二つ並んだサイズと変わらないわけです。43インチですから当然ですね。3インチほどはみ出しますが、そこはおまけしてやってください(笑)。
今20インチモニター2枚を横に並べているとしたら、そのスペースにそのまま43インチモニターは置けるということです。43インチモニターの横幅は約100センチです。一般的な机なら、このくらいの横幅はあるかと思います。棚や書籍など他のものは置けなくなってしまうかもしれませんが。
サイズはそれでいいとして、重さも気になるでしょうか。でもそれも問題ではありません。ブラウン管時代であれば43インチとなると一人では持ち運べない程の質量でしたが、今は液晶です。43インチといえどもせいぜい10kg程度。これくらいの質量なら普通のデスクの上なら置いても大丈夫でしょう。
なお、注意が必要なのは縦方向も2倍になっているということです。デスクの上方に棚があったりする場合はご注意ください。
端っこはちゃんと見える?首は疲れない?
大画面液晶というと視野角が問題になることがありました。液晶画面って斜めからだと見えなくなりますよね。ですが、この点は気にすることはありません。視野角が問題になっていたのは昔の話です。今の液晶は性能がよくなりましたので、ほぼ真横から見てもきちんと映像を見ることが出来ます。いやぁ、技術の進歩ってスゴいですね。
ただ、巨大モニターとなることで別の問題も出てきます。そもそも人間の目がそこまで広範囲をカバーできないのです。パソコンの作業ですから、目とモニターの距離はかなり近いです。リビングに置くテレビでしたら100インチになったところで、それだけ離れて見ればいいのですが、パソコンの場合はそうはいきません。
一般的なデスク配置ですと、目とモニターの距離は50センチくらい。そして人間の視野角はだいたい90度くらいですから、目を動かさずに確認できる範囲は70センチくらいまでです。43インチモニターは約100センチ×約60センチですので、横方向は人間の視野角を越えてしまうわけですね。ですので、モニターの端っこの方を見るためには視線を動かすか首を動かすかしなければなりません。場合によっては上半身を動かすこともあります。この点はかなり不便ですし、体の小さい方にとっては苦痛かもしれません。
もう一つ問題があって、それはモニター上方を見る場合です。43インチモニターの高さは60センチあります。机の上面から目の高さまでは体格によりますが30センチから40センチくらい。従来の大きさのモニターの場合、モニターの全ての領域は目線と同じ高さか下にしかありませんでした。でも60センチもあると、よほど座高が高いか椅子を高くしていない限り、目線の高さよりも高い位置にモニターの上方があります。つまり、モニターの上方を見るためには目線を上に上げなければなりません。これは従来には無かった動きになりますので、慣れるまではかなりしんどい作業になります。慣れてしまえば、どうということもないのですが。
50インチ以上のモニターはパソコン用としては実用ではないと書きましたが、その理由はまさにこのあたりにあります。モニターの端の情報を見ようと思ったら、視線や首の動きだけではとてもカバーできません。体を大きく動かさなければなりません。モニターの上方も43インチよりもさらに高いところにあります。見上げるどころか、椅子から立ち上がらないといけないかもしれません。これではとてもパソコン作業が出来る状態とは言えないでしょう。
50インチ以上のパソコン用モニターも販売されていますが、それらはパソコン作業用というよりも展示用途が中心ではないかと思われます。
湾曲ディスプレイは必要か
巨大モニターには湾曲しているモデルもあります。また、デュアルモニターを使っている場合にモニターを上から見て「く」の字に配置することもあります。どちらも、自分を中心に取り囲むようにモニターを配置しています。対して巨大シングルモニターのフラットモデルの場合は、ただひたすらまっすぐです。
自分を取り囲むようにモニターを配置するメリットは、モニターの端の視認性があがることです。液晶技術の進歩で視野角の問題はほぼ解消しましたが、それでもモニターを出来るだけ正面から垂直に見る方が見やすいことには変わりません。自分を取り囲むようにモニターを配置すると、正面から見える範囲が広くなるわけですね。一方、巨大フラットモニターの場合は、正面から見える範囲が狭くなります。
もう一つ、特にゲームにおいて顕著なメリットは没入感があがること。人間の視野角は約90度と書きましたが、これはある程度細かく見分けることができる範囲。そこに何かがあるのがぼんやりわかる程度の視野角もあって、こちらは180度近くになります。フラットモニターだと、モニター周辺のあるごちゃごちゃしたものも視界に入ってくるわけですね。ゲームや動画視聴などでその世界に没入したいときに、この周囲のごちゃごちゃしたものというのは邪魔になってくるわけです。そこで湾曲モニターがあると、広い視野角に対するカバー率があがって、ごちゃごちゃしたものが視界に入ってきにくくなります。
フラットモニターと湾曲モニターのどちらが優れているかというと、湾曲モニターの方が優れているでしょう。ただ、湾曲モニターは結構値段が高くなります。その差額のメリットが自分にとってあるかどうかというのが判断材料になるでしょう。
湾曲モニターに限らないのですが、巨大モニターは実際に自分にとって使い勝手が合っているかどうかを購入前に試してみることをお勧めします。少なくともパソコンショップの店頭に行ってデスクに座った視点からの見え方を確認した方がいいでしょう。できれば巨大モニターを設置しているネットカフェなどで一日作業してみて、自分の使い方にあっているかどうかを確かめてみるとよいと思います。安くなったとはいえ、試しに買ってみるには結構な値段ですし、合わなくて使わなくなった場合にもとても邪魔になりますので。
実際、使い勝手はどうなん?
ここまで4Kモニターというか巨大シングルモニターについていろいろ語ってきました。結論としてですが、私は買ってとてもよかったです。通販で買ったわけですが、箱が届いたところから笑いが止まりません。箱から出してデスクに設置した時点で転げ回って笑ってましたよ。今までのパソコンの常識とは完全にかけ離れています。私が初めてパソコンを買ったのはもう30年以上前ですが、そのときのモニターは15インチでした。その時代から画素数は随分増えましたが、大きさのボリューム感は実はそれほど変わってなかったわけですね。でも43インチモニターでその常識をぶちこわされました。いやあ楽しい。
そして実際にパソコンを繋いでみても爆笑の連続です。今までと同じ大きさで表示したChromeのウィンドウの小さいこと小さいこと。実際にはDPIは従来とほとんど変わらないので、ウィンドウの大きさも変わっていません。でもモニター全体が爆裂にでっかくなっているので、従来通りの大きさのChromeのなんと頼りなさそうなことか。デスクトップの壁紙がほとんど隠されずに表示されていますよ。
そうして爆笑の渦で始まった私の4Kライフですが、満足のしっぱなしです。もはや2Kモニターには戻れません。たまに出先で2Kモニターを使う機会もあるのですが、モニターが小さくて狭くて不便でストレスがたまりまくりです。俺に4Kモニターを使わせろーと叫びたくなります。つまり、4Kモニターは基本的人権なのです(個人の感想です)。