VRでオッサンが美少女になる話

2019/5/15作成

リンク先はアラフィフのオッサンがVRで心が美少女に変身するというものです。 正直、そこだけ読んだらどん引きする話だとは思いますが、非常に興味深い記事ですので、是非読んでみていただきたい。 正直、以下の私の駄文なんてどうでもいいのでリンク先の記事を是非に。

ということで、VRによってオッサンの心に美少女が生まれるというか、オッサンの心が美少女になってしまう話です。 これはロリコンとか萌え趣味とは違います。 それらの場合、オッサンはあくまでも自認はオッサンとして、対象としての美少女を求めているわけですので。 今回の件はそうではなく、オッサンの自認が美少女になるわけです。 どっちかというと女装趣味が近いですが、そことも多少のズレがある。 女装の場合、よほどの素材の良い人かメイクテクニックに秀でてないと、理想の美少女の外観は得られません。 しかし、VRの場合は本人にはなんの能力が無くても理想の外観を得られるのです。 ネカマとも違いますね。 ネカマはあくまでも外面が女性であって当人の自認はオッサンなので。 いや、そうでもないかな。 女装もネカマも当人の自認も女性になってるような気もするな。 とはいえ、VRによる自認の変化は女装やネカマよりもはるかに強力なようだけど。

この一連の記事が凄いのは、単にオッサンの自認が美少女になった凄いで終わってなくて、最終的に心理学者のところまで訪ねていって、同様の現象が化粧や美容整形によっても起こるというところまで解き明かしているところです。 化粧や美容整形でも最初は馴染んでなかったりするが、動いて意識と体をシンクロさせているとだんだん馴染んでくるらしい。 なるほど、面白いな。 単純な脳と体のモデル理解だと、脳が体を支配していると考えがち。 しかし実際には体からのフィードバックが脳を支配することもあり得るということなのか。 HMDでチョコクッキーの映像を見せながらバニラクッキーを食べるとチョコクッキーの味がするという実験があるらしいです。 感覚(主に視覚)を置換することで他の感覚をだますってのはある程度わかるのですが、「これがア・タ・シ?」になるほど自意識にまで介入できるというのは正直驚きです。

自己認識・自意識というのは心の中に存在する確固たるものではなく、外部からの刺激の集合体なのかもしれないですね。 従来の理解だと、マトリックスのように全感覚を置換することで仮想世界に住まわせていたけれど、意外ともっとお手軽な手段で意識を騙してしまえるし、自意識を操作可能なのかもしれないですね。

例えばですが、何日にも渡ってオッサンが美少女としてVR世界で過ごしてから現実世界に戻ってこれるかどうかという実験をするのはどうでしょうかね。 戻ってこれないような気もしますね。 その可能性を考えると、非人道的実験として実施できないかもしれませんね。

VRによる視覚置換がここまで自意識に介入できるなら、PTSD治療など心理的療法にも応用可能だったりしませんかね。 もちろん非常に危険なので非常に慎重な運用が求められますけれど。 逆にVR世界でひどい目にあうことによって心理的に大きな傷を負うこともありえますね。 そういえばVR世界で斬首されるというコンテンツの話を聞いたような気がしますが、ひどい結果になったような気がする。 怖いので、どうなったのか調べる勇気がなくて調べていませんが。

VRってのは凄い技術ではあるんですが、個人的にはまだビックリ箱の範疇を出られてないなぁと思ってました。 でも、ここまで心に入り込めるのだとしたら、それはすごい可能性を秘めてるんじゃないかなという気がしてきました。 これは一つの突破口じゃないですかね。

(2019/6/27追記)

精神の病がVR技術で治療できるようになる未来がやってくる

上で「VRを心理治療に使えるんじゃないか」と書きましたが、実際にそのようなことが行われているのですね。って、当たり前か。