学習アプリはこうあってほしい

2017/3/28作成

最近、漢字検定を目指して勉強してます。最初はテキストを買ってきてノートに書いて勉強してたのですが、今時ならコンピュータの支援を受けた方が効率的に勉強できるのではないかと思って、試しにDSの「漢検トレーニング」というソフトを買ってきて勉強してます。

「漢検トレーニング」には基本的には非常に満足してまして、勉強がはかどっているのは間違いないです。このようなソフトを作ってくださってありがとうございますなのですが、いくつか気になることがなかったわけでもないので、それをちょっと書いてみたいと思います。ちなみに、他にスマホで使える漢検アプリもいくつか試してみたのですが、それらも同様の問題がありましたので、「漢検トレーニング」だけの特有の問題というわけではないと思います。全般的に、学習アプリというジャンルがまだこなれてなくて機能的に不十分なのかなぁというように思いますので、どうせ作るならこういう点が改善されるといいなぁという提案になります。

一番気になるのは、間違えた問題を自動的にチェックしてくれないこと。自分で問題に対してチェックを入れるしかありません。そのチェックしたものだけを集中して再勉強は出来ますが、このチェックの手間が面倒です。また、これはもう覚えたと思っても、そのチェックを外すのも手動です。コンピュータを使ってるのですから、間違えた問題は自動的にチェックしてくれてもいいと思うのですが、それは贅沢な希望なんですかねぇ。

細かい話ですが、チェックした問題を集中的に再学習する際に、全ての問題を一度に再学習するモードしかないのも不便です。最初のうちは間違える問題だらけですので、チェックもたくさん入ります。そうすると再学習を一通りするのにも長い時間がかかるのです。それだけ時間を確保して勉強できていればいいのですが、実際には毎日少しずつ勉強してますのでそうもいきません。チェックした問題のなかからランダムで数題だけ出題されるようなモードがあればいいのになと思います。

出題が完全なランダムなのも地味にイヤな感じがします。ソフトには多数の問題が登録されていて、そこからランダムに選ばれた問題が出題されるわけですが、これがどうやら完全なランダムなようなのです。完全にランダムならいいじゃないかと思いますが、実際にはそうではないんです。完全にランダムだと、前回出てきた問題が続けて出題されることもあるんです。さっき見た問題をまたやるってのは学習としてはあまり意味がない。一度出題された問題は記録しておいて、しばらくは出題されないような工夫がしてあるといいなぁと思いました。iPodなどのミュージックプレーヤーのランダム再生モードでは、実は完全なランダムではなく様々な計算の元に決定されているそうです。なぜなら、完全なランダム再生だと先ほどの指摘したように同じ曲が続けて再生されることもあり得ます。そうなると、聴いた人は強い違和感を感じるわけですね。その違和感を感じないようにミュージックプレーヤーでは工夫されているそうです。学習アプリでも同じような工夫があるといいと思いました。

最後に、これも些細と言えば些細なのですが、メニュー選択やボタン操作が煩雑というのがあります。これはユーザインターフェイスの永遠の課題である、未習熟者と習熟者の両方に最適なインターフェイスの実現が難しいというところではあるのですが。ともかく、学習ですから毎日のように繰り返し勉強しているとメニュー操作には習熟するのです。習熟しているのに、初見のユーザに最適化された丁寧なメニューだと選択が煩雑に感じられるのですね。設定でデフォルトが選べるとか何かそういう工夫があるといいのですが。

以上、比較的細かい点かもしれませんが、学習アプリではこうなっているといいなぁと自分なりに思ったことを書き出してみました。

(2018/3/7追記)

書いたと思ってたのですが、久しぶりに読み返してみたら書き漏れていたので補足しておきます。

実は私は漢字検定の他に英単語の勉強もしてまして、そちらはスマホの「iKnow!」というアプリを使っています。そして、iKnow!では上記で書いたようなことは実現されているのですよ。

iKnow!は脳科学に基づいた学習法という触れ込みですが、実際のところそれがどれくらい適切なのかはよくわかりません。ただ、学習している単語を一定のタイミングに基づいて自動的に再抽出して出題してくれますので、ランダムに選択された同じ単語を繰り返し勉強するということはありません。単語ごとに習熟度がありまして、正解すると習熟度がアップします。不正解だと習熟度が下がるとともに、再学習の頻度もアップするようになっています。なので、自分の苦手な単語を効率的に学習できるようになっています。これがベストとは限りませんが、ランダムと手動による再学習チェックよりかは遙かに学習ソフトとしての効率は高いと思われます。

勉強法には、独学とか教師による指導とかいろいろありますが、新しいのはコンピュータの支援による学習です。要するにCAIと呼ばれるモノですね。私がパソコンを初めて使った30年くらい前からCAIという単語はありましたが、その内容は正直稚拙なモノが多かったように思います。当時からCAIを研究開発してた方々には申し訳ないのですが。理想的には教師が生徒それぞれの習熟度合いに応じた教育を施すのがいいのですが、実際にはそこまでのマンパワーの問題で難しい。教師の質のばらつきの問題もありますし。そこでコンピュータを利用して習熟度に応じた教育が出来るといいと思うのですが、未だに学習ソフトがランダム選択した四択クイズで得点ランキング程度の機能しかないというのはなんでなんでしょうね。10年くらい前ですが、仕事でeラーニングのコンテンツを開発することになりSCORMを少し調べたりしたこともありますが、やっぱりその程度の出来のeラーニングソフトばかりでした。

とかとか考えると、CAIの分野はまだまだやれることがたくさん眠っているし、この分野が発達すると教育業界についても大きな変革が起こせるのではないかなぁという気がしたりもします。全くの素人考えですがね。

(2018/10/20追記)

日々「漢検トレーニング」で勉強してて、上で指摘した事項のいくつかは濡れ衣であったことがわかりました。

まず間違った問題をチェックしてくれないですが、これは「分野別トレーニング」というモードで「復習」を選ぶことで出来ました。誤った指摘をしてしまい申し訳ありません。ただ、このモードでは再学習して一度正解するとチェックがはずれてしまうので、定着するまで繰り返し再学習したいという用途には不向きです。間違えた問題をここでチェックを入れて「MY漢検」で再学習するという流れですかね。

チェックした問題だけを集中して再学習するのは「MY漢検」なのですが、こちらがチェックした問題を全て出題してしまうというのも誤解でした。チェックした問題のうち、ランダムに一部だけを選んで出題されます。私がチェックした問題が少なすぎて常に全部のチェック済み問題が出題されていたために誤解してしまいました。申し訳ありません。

出題が完全ランダムというのも誤解でした。こちらはどういうルールで出題されるかが明記されてないので推測でしかないのですが、どうやら同じ問題をある程度繰り返し出題して定着をはかるという出題ロジックになっているようです。このあたり、出題方法についてどこかに説明があるとありがたいですね。もしかしたらどこかで説明してあったとしたらごめんなさい。付属の取説には書かれていなかったもので。

という訂正の最後になんですが、もう一つ追加で要望を。全体としてどれくらい学習が進んでいるかは「成績閲覧」の「達成率」でわかるのですが、その達成率がどういう根拠で算出されているのかがわからない。用意されている問題が出題された率なのか、一度でも正解した率なのか、繰り返し正解して定着したと思われる率なのか。また、学習の進捗としてはどれくらい定着したかもですが、全体の中でどこまでの問題を取り組んだことがあるかという率もみたいです。問題が100問用意されてるとして、そのうちの50問は取り組んだことがあるけれど、残り50問はまだ一度もみたことはない。ならば問題取り組み率は50%なんですが、多分「達成率」はそういう意味ではないんですよね。もちろん、全体の問題の内の何割の問題が一度でも正解したことがあるのか、何割の問題が繰り返し正解して定着したと思われるのか、といったことも知りたいです。これらの情報って、紙の参考書や問題集で自分で学習してるときには、参考書の厚みでだいたい把握できるものなんですが、デジタルになると厚みという情報がなくなってしまう。なので、そこをちゃんと表示してもらって確認出来るようになっているといいなぁと思った次第です。