法人税減税で賃上げできるの?

2015/11/28作成

法人税を減税するので、それを原資にして賃上げをしてねって話が出てますよね。最初は「ふーん」程度に思っていたのですが、よくよく考えるとそれって筋が通ってない話ではないですかね。

法人税は基本的に利益に対してかかります。利益とは売上から経費を差し引いたものです。そして、賃金というのは経費に含まれれます。つまり、法人税を減税しても賃上げの原資にはならないんですよ。賃金はその前の段階で支払っているものですから。賃上げすれば法人税を下げなくても法人税額は減ります。

では法人税を減税すると何が増えるかというと、それは内部留保です。内部留保を使って賃上げをしろという話もありますが、それはどうかなぁと思います。というのは、賃金を上げるとそれはこれからずっと上がったままだからです。それに対して内部留保は貯金ですから、一度使ったらおしまいです。ボーナスなどの形で一度だけ従業員にばらまくのならいいですけどね。ただ、そもそもとして内部留保は株主のものですから、本来的には配当して株主に還元すべきものであります。

法人税を減税しても、賃上げの圧力にはなりません。むしろですが、増税した方がまだ賃上げになる可能性がありますよね。税金に取られるくらいなら設備投資などに回した方がマシだって話はよくあります。設備投資以外にボーナスとして支給するというのはあり得ますよねぇ。