なんの因果か二年続けて転職活動をしたので、それを通して気づいたことをちょっと書き残しておこうかなと思ってメモ。と言っても別に転職必勝法とかそんなもんではないです。誰もそんなもんを期待してないとは思うけど。
転職をするにあたってまず決めなければならないのは、現職をどうするか。現職を続けながら転職活動をするか、辞めてからにするか。意図せず失業してしまった場合には選択の余地はないのですけどね。
転職アドバイスのたぐいでも多く挙がる話題で、そして結論は大抵は現職を続けながらをお勧めするということになっている。それはわかるんだけど、わかるんだけど、でも一方でやってみてとても大変だったという面もあります。
転職活動は意外とと言ってはなんだけど、結構大変です。やることは膨大で、精神的にもすごく消耗します。実質的に転職活動自体がフルタイムで働くのと同じくらいの負荷になると言っても過言ではありません。現職を続けながら転職活動をするというのは、すなわちフルタイムで働きながら副業もフルタイムで行うようなものです。実際のところとして、私は働きながら転職活動をしていたんだけど、あまりに大変だったので途中で休止して、退職してから再開しました。
転職活動のなにが大変なのか。まず定番の自己分析。これまでの自分の実績とスキルを棚卸しし、今後どのように働きたいかを考えます。そして、希望にあった求人を探し応募。面接とお祈りを繰り返し、内定をもらうまで繰り返すわけです。これ、マジで大変ですよ。とても片手間にできることではありません。だからといって退職してから転職活動を勧めるわけでもないのですが、現職を続けながら転職活動をするのでしたら、かなり綿密にスケジュールを立てて、なおかつ相当の長期戦を覚悟して挑む必要があると思います。
自己分析ですが、自分でも自分のことなんて把握しきれるものではないのですが、かといってどんな職業でも何でもかまわないってものでもないでしょう。目をつぶって求人誌をランダムに指さした募集に応募してみるというのも、それはそれで面白い方法ではありますが、万人に勧められるものでもありません。自分のすべてを把握できなくても、わかる範囲でまとめて、仕事に対して自分が希望する要件はまとめないといけません。
自己分析は大きくわけて過去の振り返りと未来への希望に分かれるわけですが、そのやり方はあまたある転職情報をご覧ください。ここで強調したいのは、自己分析は一度やれば終わりではないということです。転職活動を続けていくなかで、自己分析は繰り返され、だんだんとブラッシュアップされてきます。これは実際に転職活動をしている方だと実感できるのではないでしょうか。なので、最初から完璧な自己分析ができる必要はありません。だからっていい加減に自己分析をしていいというわけでもないのですが、完璧な自己分析にこだわりすぎることもないということです。転職活動もPDCAを繰り返しながら行われるので、活動を始めた頃には考えてもみなかった結論にたどり着くということも、ままあるということです。
そういう意味では、どうしても働きたい意中の会社があるとして、その会社には転職活動の最初に応募しない方がいいかもしれません。その段階ではまだ自己分析が不十分な可能性が高いです。自分自身のポテンシャルが採用に値していたとしても、自己分析が不十分だとそのポテンシャルを伝えることができないかもしれません。ある程度活動を続けて、自己分析が進んだなと思えるようになってからの応募がいいのかもしれませんね。
ただ、では意中でない会社に応募して、もし内定が出ても断りを繰り返すなんてことができるわけでもありません。そんなことをしたら相手の会社に対して失礼極まりませんし、自分としても不真面目な応募では自己分析が進むわけもないでしょう。自己分析を進めるのには実際に応募して面接などを受けるのが何よりなんですが、それができない場合には人に会って話を聞いてもらうことでしょうか。家族や友人でも構いませんし、転職相談はハローワークを始め多くの機関で無料で受けることができます。転職エージェントなどに会って話を聞いてもらうというのでもいいでしょう。とにかく自分一人で考えているよりも、人に会って話を聞いてもらって、時には矛盾点や分析の不足を指摘してもらうことで、自己分析が深まっていくことでしょう。
人に会ってもらわなくても、転職サイトに登録してプロフィール欄を埋めるだけでも効果はあります。転職の自己分析に限りませんが、漠然と思っていることも実際に言葉に直して書き出すと不十分だったということは多々あります。文章にする過程で考えが整理されていくというわけです。
転職活動をいつまで続けるかというのも問題です。自分の経験からは、3ヶ月が一つの目安かなと思います。その理由は、転職活動は非常に大変なので、3ヶ月以上続けると疲れてしまうからです。飽きてしまうとも言えます。転職活動自体はなにも生み出さない非生産的な活動なので、短期的には行う必要があることは自明でも、長期的にそれだけを行っているのには精神的に耐えられなくなってくるのです。耐えられなくなってくると、どこでもいいからとにかく就職しさえすればいいやという考えにも傾いたりします。それがよい結論に結びつかないだろうことは自明でしょう。ですので、そのようなことに陥らないように、3ヶ月以内にケリをつけるつもりで動くべきではないかと思います。
もちろん金銭的な問題もあります。失業手当の受給期間は三ヶ月というのが一般的ですし、半年一年分の生活費の蓄えがあるという人はまれでしょう。いや、貯金がそれくらいある人はいるでしょうけれど、その貯金は転職活動に費やしてしまっていいのかというと、そんなことはないでしょうという意味です。
キャリアという意味でも三ヶ月は一つの目安になります。三ヶ月以上のキャリアの空白は採用判定で問題になるポイントになります。入院とか療養とか勉強とか、何か明確に説明できる理由があるなら別ですが、ただ単に転職活動を行っていましたとなるとマイナス評価につながる可能性はあるでしょう。
以上、自分なりに経験して思ったことを少し書き出してみました。もちろんこれに当てはまらないという方も多々いらっしゃると思いますので万人に参考になるとは思わないのですが、少しでも参考になったという方がいらっしゃったら幸いです。