最先端の技術は目的ではなくて手段

2015/2/7作成

成長しないのは退化と同じ

こちらの記事。書いてあることには全面的に賛同します。はい。正しいです。だからこれから書くのは反論ではありません。この意見には自分も賛同しているのだけど、だからこそ自分がよく失念することを補足しておこうというだけです。

何を補足しようかというかというと、目的を見失ってはいけないということなんですね。勉強して進化し続けること。それはとても大切なんだけど、勉強して進化することは自体は目的ではない。それは、何かを作り出すという目的のための手段であるはず。そう。あくまでも目的はアウトプットなんですよね。勉強はそのためのインプットなんです。

この切り分けを間違えると、勉強会に参加したりブログで勉強成果を発表したりと努力はするんだけど、じゃ何を作ってるの?って聞かれて何も答えられないということになりかねない。それじゃただの「意識高い系()」ですよね。「○○の技術を使ってないからあれはダメだ」とかのヒョーロンカ君になってしまう。極端な対比をすると、全く学ばないんだけどとにかく手を動かして何かを作り出している人とどっちが偉いのかって話になる。いやま、優劣があるわけではなくて、自分がどっちになりたいか、ですよね。

もちろんだからって、それが学ばないことの免罪符になるわけでもない。先人の知恵は生かせるなら最大限に生かした方がいい。将棋のルールだけを覚えて独力で手筋を研究しても羽生名人に挑戦することは一生掛かっても出来ませんよね。やっぱり定石は勉強しないと。

その羽生名人が、現代は知の高速道路がある時代と言ったのが10年ほど前ですかね。それは事実なんだけど、その後の10年で高速道路はどうなったかというと延伸されまくったという現実もありまして。高速道路をたどって最先端までたどり着いて、ほっと一息ついて顔を見上げたらもう最先端は地平線の彼方まで延伸されてしまっている。そこまで極端では無いにしても、それに近しい状況が起こっていると言えるのではないか。

高速道路網が網の目のように発達しすぎて、とても全部のルートをたどりきれなくなったという面もあります。ウェブ開発という高速道路一つをとっても、一体どれだけ支線があるんだか。というかどれが本線なんだかわけが分からない状態になっているような気がします。多分、他の分野も似たような状態ではないだろうかという気がします。

ということで、個人的には高速道路をたどっていくのもいいんだけど、それをたどるのだけをしていてもきりがないので、立ち止まって独自の道を行ってもいいんじゃないかなとも思ったりもします。繰り返しますが、それは学ばないことの免罪符ではないので、どこのルートはたどるのか、どこは省略するのかの判断は常に重要ではありますけれど。