マンションは地獄なのか

2023/10/28作成

マンション修繕費問題地獄すぎる

ようやくマンション管理のこうした問題が世間一般でも知られるようになったのかなぁという気がします。分かってる人には何十年も前から分かっていたのですがね。

文中に「いつか売るつもりの人と、永住する人で修繕の意識が違う」「住む階数によって修繕要望が違う」とありますが、加えて「自分が死ぬまで住めればいい老人」というのもあります。

最近はあまり見なくなりましたが「ワンルームからファミリータイプまで幅広いご要望に応えます」なんてマンションもかつては多くありました。ワンルームの居住者は単身者ですし、ファミリータイプには家族で住みます。年齢層も家族構成も違えば、価値観も全く違ってきます。そうした人たちが、同じマンションの管理組合で合意を形成しなければならない。無理ですよね。

では全戸の住戸タイプが統一されていれば価値観も似てくるかというとそうとも限らない。高層階と低層階では数百万、下手すれば数千万円の価格差がありますから、当然に居住者の収入も変わってきます。新築時と中古になってからの価格差もありますから、そこでも収入格差は出てきますね。収入は価値観に結びつきますし、単純に無い袖は振れないという話になったりもします。

総論賛成各論反対という問題もあります。マンションの居住環境をよりよくしていきましょうという総論に反対する人はあまりいないと思いますが、そのために修繕積立費を値上げしますというと、それは困ると言い出してしまう。

こうした様々な価値観を持っている人たちで合意形成をはからなければならないのがマンションの管理組合なわけですね。そりゃま地獄だと思う人も出てくるでしょうし、実際地獄の様相を見せているマンションも日本中あちこちにあるわけでして。

ところでこれ、何かに構図が似ていると思いませんか。そう、日本社会そのものなんですよね。自分が死ぬまでの間今の社会が続けばそれでいいと考える高齢者と、今後何十年先も生きていくはずの若年者、高収入の人、低収入の人、それぞれ社会に求める機能も全く違ってきます。こうした人々の利害を調整してなんとか全員の満足度が高いようにするのが政治家なわけですから、管理組合にも政治家が必要なんじゃないかって気がしないでもないです。政治家が居ても役に立つかどうかわかりませんが。