中古マンションの会計公開は必須

2018/9/2作成

新築マンションの場合はまだマンション管理が始まっていませんので、管理費会計も修繕積立金会計もまっさらな状態です。マンション購入者が検討するのは、設定されている管理費と修繕積立金が妥当なものかどうかと、長期修繕計画の内容が妥当かどうかということになります。近年は国土交通省の指導が行き届いていますので、よほど変なデベロッパーで無い限り、管理費や修繕積立金や長期修繕計画が常軌を逸してることはないでしょう。もちろんチェックは必要ですけれどね。

一方、中古マンションの場合はすでに何年ものマンション管理の実績がありますので、マンション購入者にとってのチェック項目は新築の場合に加えて多岐に渡ります。

一般に重視されるのは大規模修繕が直近に行われたかどうかでしょうか。大規模修繕が実施されたので外観がきれい、というのも大事ですが、マンション管理の観点からは大規模修繕といえば修繕一時金ですよね。とても健全な運営が行われているマンション管理組合の場合は修繕一時金がゼロで大規模修繕が行われることもあるでしょうが、大抵は数十万円から時には百万円を超えるような修繕一時金負担が発生することもあります。近年話題になっているのは、タワーマンションでは大規模修繕工事の工費が高くなることですよね。おそらくタワーマンションでは高額な修繕一時金が発生することも多いでしょう。

中古マンション購入者にとっては、大規模修繕が直近に行われたということは、今後数年間は修繕一時金の負担が発生しないことを意味します。似た条件の中古マンション物件が二つあった場合、一方が大規模修繕前で一方が大規模修繕後だとすると、その価値は100万円程度の差があると見込む見方も出来るということですね。つまり、中古販売価格に数十万程度の差があったとしても、修繕一時金を含めて考えると逆転する可能性もあるということです。これ、気にしてる中古マンション購入者は少ないような気がするし、不動産購入情報でも気にされてることはあまり見かけないですが、わりと大事なことではないかと思ってます。

また、大規模修繕前だとしても、マンション管理状態によって修繕一時金の負担の可能性は大きく変わります。管理費会計が赤字で修繕積立金を取り崩しているような管理組合の場合、大規模修繕では高額の修繕一時金負担が発生するでしょう。一方、健全な運営が行われている場合は修繕一時金の負担はないかもしれません。つまり、似たような条件の中古マンションが二つあってどちらも大規模修繕前だとして、片方が健全な管理が行われていて、もう一方が不十分な管理だとしたら、修繕一時金負担で100万円程度の価値の差があるということも考えられるわけですね。

というようなことを考えると、中古マンション購入時には管理組合の会計情報をチェックすることは必須な気がするので、物件情報としてせめて決算書の提示が必須になるといいなと思います。といいつつ、実は最近のマンション売買事情に疎いので(そんなに頻繁に売り買いしませんし)、今では実はこうした情報の公開が義務づけられていたらすいません。