マンションにおける節電というのは大きなテーマです。一般にマンション管理費の約1割は電気代だと言われています。なので、このブログでも過去マンションの電気代節約、LED照明でマンションの節電と書いてきましたが、時世が随分と変ってきました。福島原発事故による世を挙げての節電モードです。ということで、最近の事情について書いてみたいと思います。
マンションの共用部分の電気代の大半は照明によって使用されています。なので、照明を省電力のものに交換することで電気代を節約することができます。これはLED照明でマンションの節電でも書いたことですが、ここにきてLED照明が注目されることになり、随分とコストが安くなってきました。先の記事を書いた2010年頃ではLED照明に交換しても照明器具が高価なために節約効果があまり期待できなかったのですが、現在ではその事情もかなり変ってきているようです。もちろん、どの照明でも単純にLED照明に置き換えられるものではありませんが、交換可能な照明器具から交換していくことで節電し、電気代も節約することが出来るのではないかと思います。
節電と共に注目されているのが、代替発電の導入です。議論百出の状況ですが、そのなかでもやはり有力な候補として考えられるのが太陽光発電ではないかと思います。実際、マンション用に太陽光発電設備を設置するサービスを行っている企業もありますし、導入しているマンションもあるようです。ただ、残念なことに太陽光発電とマンションの相性は必ずしも良いとは言えないと思います。
マンションに太陽光発電を設置するには、屋上を利用することになるでしょう。マンションの屋上は一般に利用されていない空間ですので、この場所を有効利用することは理にかなっているようにみえます。が、太陽光発電は当り前ですが太陽の光を用いて発電します。太陽光は昼間しかありません。しかし、上述したようにマンション共用部分における電力の主な用途は照明なのです。電力が必要なのは夜間です。このギャップを埋めるにはバッテリーに蓄電するなどしなければならなくなり、コストが更に高くなってしまうため、おそらく現実的ではないでしょう。戸建住宅の場合には、空調などに利用することで太陽光発電は合理的となるのですが。
(2012/7/7追記)
太陽光発電については売電するという方法もあるのですがその場合税務処理が必要になり、その費用と納税額も含めて収支が見合うかを検討する必要があります。
また、太陽光発電設備を設置するとしたら屋上なのですが、マンションの屋上は10年程度おきに防水工事を行う必要があります。そのたびに太陽光発電設備を撤去・再設置を行わなければなりません。防水工事中は発電できませんし、防水工事のコストも上昇することになります。この点についても検討しておく必要があるでしょう。