マンション住民の世代構成

2007/12/27作成

マンションに限りませんが、一般に住宅を購入する世代にはある程度の偏りがあります。一つは30代の若い家族。もう一つは子育てが終わった60代の夫婦。もちろんそれ以外の家庭も住宅を購入するんですが、割合としてこの二者が高くなるのは自然の事でしょう。その結果、分譲マンションのように一斉に購入が行われるタイプの住宅では住民の世代構成が偏るということになるわけです。同じ事は新興住宅地などでも起こりえますね。

世代構成が偏った結果何がおこるかというと、いろいろ考えられます。たとえば共用設備のキッズルーム。竣工直後は活発に使われるでしょうが、10年くらい経てばマンション内に小さな子どもはほとんどいなくなって閑散としてしまうでしょう。

管理組合も大きな影響を受けることが考えられます。住民の世代構成が30代と60代に偏ると、当然に役員の世代構成もその年代に偏ります。ところが60代の人は10年経つと70代になりますから、人によっては病気や衰弱で管理組合活動に参加できなくなる人も出てくるでしょう。そうしたときに次世代となるのは30代だった40代の人のみ。この場合はまだ30代だった人たちがいるだけいいんですが、さらに30年経つとそうしたその人たち自身が70代になってしまう。そのとき、果たして次世代はいるのかどうか。実は現実にこうした問題は高度成長期に開発された新興住宅地で実際に起きています。子ども世代が育って代変わりしていればいいんですが、子どもは出ていってしまっていると老人しか住んでいなくて誰も管理できないなんて状態にもなりかねない。

昔からある街であれば、住民の世代もさまざまなので世代交代も緩やかに行われていくはずです。しかし、一斉に同世代が入居するマンションや新興住宅地では将来にこうした問題が起こり得るわけです。いい解決策は思いつきませんが、とりあえず問題として認識はしておいたほうがいいのではないかと思います。