マンションを買って、多少なりともマンション管理について勉強しました。今はマンション管理に関する書籍や雑誌がたくさんあり、また法律整備などでマンション管理をとりまく環境もずいぶんとよくなってきているようです。雑誌などでは一念発起した理事長さんが改革に乗り出し、傾きかけていたマンション管理組合を立て直した成功談などであふれています。その体験談も手法も惜しげもなく公開されています。やる気にさえなれば、マンション管理をよりよくする事は誰にでも出来るようになったと言えるでしょう。
ただ、ここでふと疑問に思うのです。やる気のある人が理事長に就任して立派なマンション管理を行う。一見いいことの様ですが、それでいいんでしょうか。マンション管理は最終的には総会決議で決定しなければいけない直接民主主義制になっています。いくら理事長が立派なことを考えても、総会で賛成が得られなければ、何にもなりません。もし賛成が得られなくてもごり押しで進めるような理事長であれば、それはもう独裁者と呼ぶしかないでしょう。いくら立派な管理内容でも、褒められたものではないように思います。
結局、一番大事なのは組合員みんながマンション管理に参加するという姿勢ではないかと思います。そして、それを実現するためには、住民同士のコミュニティがしっかりと構築されていなければならないのだと思います。逆に言えば、コミュニティさえしっかりしていれば、マンションで何か問題が起きてもスムーズに解決できるのではないかと思います。
マンション管理と言うと、どちらかというと「○○したら管理費が安くなった」「工事の見積もりでは××に注意せよ」といった技術論が先行し勝ちのように思えます。もちろん、それも大事な事なんですが、まずは住民ありきというのがマンション管理の根幹なのかなぁ、と最近思います。