もちは餅屋

2004/5/20作成

新築マンションの管理に書いた共用設備の補足のような話です。共用設備の充実をうたったマンションって多いですよね。しかし、住居として必要最低な設備以上の共用設備ってマンションに必要なのでしょうか。

例えばよくある共用設備であるスポーツジムを例に考えてみましょう。売り口上としては、マンション住民は安価にジム設備を利用できますとなるわけですが、別にマンション内にあるからって安価なわけはないですよね。利用料が安価だったり無料だったりしても、その為の費用は管理費とかそもそもの購入費に含まれているわけだから、別に安くなっているわけではありません。一方でマンションにはさまざまな住民が住んでいるわけですから、スポーツジムといっても人によって求めるものはさまざまです。ちょっとした気分転換とかダイエット程度の設備はあるでしょうが、本格的なトレーニングに対応する器具まではマンション内の設備程度では対応できないと思います。極論すればプロスポーツ選手にとってはマンション内のジムなんておもちゃでしかないでしょう。本来なら、こういった設備はそれぞれが必要に応じて外部の施設を利用すればいい話で、住居であるマンションで対応しなければいけない理由ってなんなんでしょうね。デベロッパーが売りやすくするためにカタログにたくさんのことを書きたいだけのように思います。

ちょっと話が飛躍しますが、日本にはこういう特定の組織に属する施設って多いですよね。○○組合だの△△団体が会議施設だの研修施設だの保養施設だのを個別に保有する、と。どこぞの年金組合が莫大な費用を掛けた保養施設が赤字になって社会問題にもなっていましたっけ。こういう施設って本来は専門業者に任せるもちは餅屋が一番いいように思うのです。企業が保有する場合は、節税上効果があったりするのでまだ分からないでもないのですが、任意団体がなんで保有しないといけないのか。個別に保有したら管理コストが多重に掛かるから、社会全体としては無駄なコストを払っている事に他ならないんですけどね。