日本陸連のランニングクリニック

2006/2/26作成

日本陸連のランニングクリニックに参加してきた。

第1部は東洋大学の川嶋伸次氏の講演。箱根駅伝の裏話とか聞けて面白かった。「みなさん箱根駅伝観られたと思いますけれど」とおっしゃったけど、すいません私観てません。まあ今年の正月は子供が入院していてそれどころではなかったというのもあるんだけど。

講演は面白かったんだけど、大学と実業団で経験を積んでこられた方の話は、果たして市民ランナーにとって参考になるのかというとちょっと疑問。一番そう思ったのは「自己満足してたら伸びない」という話。確かに記録を伸ばすためにはそうかもしれない。でも、市民ランナーって極論するとみんな「自己満足」のために走っているわけだからなぁ。

一方、面白い視点だなと思ったのは「男性の市民ランナーはみんなオタクみたいなかっこしてる」。オタクと言われて言い返せない私はともかく、言われてみれば確かにオタクっぽい男性多いような気がするな。でも、よくよく考えると数あるスポーツの中でもランニング/マラソンってオタクなスポーツなのかもしれない。道具や理論にはまるのは他のスポーツでもあるとしても、練習はただ地道に走るだけ。その成果は基本的に数字でしか現れない。そんでもって成果であるレースも、ファインプレーも勝敗も無くただタイムの数字が出るだけ。うーん、オタクチックだ。もちろんオタクだからといって悪いわけではないんだけど。

第2部はテーマ別に分かれての実技。初心者である私は「初心者のランニング」を選んでみた。出席者の自己紹介に思いのほか時間が取られたのかレッスン自体はちょっと物足りなかったけど、それでも筋肉バランスの話とかいろいろ聞けたのは参考になった。

第3部はテーマ別グループ相談会で、右膝の痛みが気になる私は「ランニング障害」に出てみた。スポーツドクターが個別の症状に応じて原因と対処について解説してくださるんだけど、個々の話は細かすぎて正直よくわからんけど、全体を通して聞いていておぼろげに思うのは、筋肉やじん帯の炎症についてはまずはアイシング。予防と治療としては、ストレッチと筋トレ、フォームの矯正や筋力バランスの調整などなど。それって以前整形外科で言われたことそのままやん。結局はそれしかないって事か。考えてみればランニングは他のスポーツに比べれば体の動きがおとなしいから、転倒でもしない限り骨折などの大怪我は起こりにくい。あるとすれば筋肉やじん帯の炎症。その対策もかなり明確と言うことは、無理をせず普段から気をつけていれば、故障はそれほど恐れることはないという事なんだろうか。

それをふまえて勝手に考えてみると、動きがおとなしいとはいえランニングは下半身を中心に体重の何倍もの負荷を関節などに与えてしまい、それを支える体が出来ていない段階では故障を起こしやすい。一方、筋トレは器具を使わない限り体重以上の負荷は掛けようがないわけで、非常に安全な故障のしにくいトレーニングでもある。しかも体作りになる。長い目で考えると、初心者のうちからガンガン走るんじゃなくて、最初は筋トレでしっかりと体を作ってから走るのがいいんじゃないだろうか。それじゃ詰まんないという問題はあるけどね。でも故障して走れなくなるよりはよっぽどいいように思う。

というようにいろいろ収穫はあったランニングクリニックだけど、それでも全般的には短い時間にプログラムが詰め込まれ過ぎて消化不良の感がある。いっそランニング教室にでも通ってみようかとも思ってぐぐってみたんだけど、これが意外と見つからない。「テニス教室などはたくさんあるのに、なぜランニング教室はないのでしょう。いつかランニング教室を開催したいです」なんてページが上位に出てくるくらい、見つからん。考えてみると不思議だねぇ。市民ランナーはもの凄くたくさん居るのに、教室はほとんどない。ということは、みなさん独学で自己流で走っているということになりますなぁ。