フリーランスになって仕事を受託するようになると、その案件は大抵はスポット案件になります。案件によって期間は1日だったり半年だったりとそれぞれですが、よほど長期のものは除いて基本的にスポット案件というのは、その期間だけのお仕事ということになります。当たり前のことのようですが、実際にフリーランスになってみると、この意味がひじょうーに大切になってきます。
と言いますのは、スポットの仕事というのは、納品して検収が終わればそれでおしまいです。請求と入金という手続きもありますけどね。ともかく、仕事が終わってしまえば、それでおしまいなんです。しかし、フリーランスと言えども食べていかなければならないわけですから、仕事が終わってそれでおしまいというわけにはいきません。当然、次の仕事を探してもらってこないといけないわけです。で、この繰り返しを延々と続けるのがフリーランスという業態なんですね。止まれば死ぬ、とまではいきませんが仕事が途切れるとお金も途切れます。その間は貯金などで食いつないでいかなければならないのですが、収入が途絶えた状態で貯金で食べていくのは、相当に貯金していても不安なものです。
で、この不安を少しでも軽減するのがレギュラー案件というわけです。単発の契約ではなく、ある程度の期間継続的に仕事をもらえるような案件ですね。全ての仕事をレギュラーにしてしまうと、その会社の専属ということになってしまって、それならいっそフリーランスではなくその会社に就職することを考えてもいいのではないかということもありますが、そこまでいかなくても自分の仕事のキャパの一部分だけでもレギュラー案件に割りあてておくと、スポット案件がない期間でもそのレギュラー案件からの収入がある分だけ安心になります。もちろんキャパの一部しか割りあてないわけですから、レギュラー案件だけでは食べていけません。貯金を食いつぶすのは一緒なんですが、レギュラー案件があるとその食いつぶす速度を落とすことが出来る。それは随分と精神的な支えになります。何より、収入が0円よりも、たとえ数万円であっても収入があることで大きな安心を得ることが出来ます。
フリーランスというのは不安定な立場ですので、常に不安を抱えて生活することになります。人によって感じ方はそれぞれでしょうけれど、そのストレスは多分かなり大きなものだと思います。なので、そのストレスを少しでも軽減できるように、レギュラー案件を少し抱えておくようにするのは、フリーランスを続ける上での生活の知恵のようなものではないかと思います。