見積もり四方山話

2007/6/13作成

受託仕事の場合はまず見積もりから始まります。その見積もりについて小ネタ的にいくつか。

見積もりの期限で多いのが「なるべく早く。出来れば今日中に」というもの。そんなに急いでるんだったらということで急いで見積もるんですが、返事はなかなか来ない。1週間2週間と経ったあたりで問い合わせてみると「検討中です」との回答。検討するのはいいんだけど、そんだけ時間があるんだったら、なんで見積もりは当日中に必要だったのよ。

仕様がまだ詳細には決まってなくて、でもとりあえず金額が知りたいと言う事で概算で見積もる事も多い。「詳細な仕様が決まったら見積もり直してください」と言うんだけど、実際には概算のままで納品まで至ってしまうことも多い。というか、こういう場合はたいてい詳細な仕様は作りながら段々決まっていって、見積もり直す機会なんて無い。途中で見積もり直しについて言い出せない私も悪いんだけど。一時期、あとで絶対に見積もり直せるように「約○○円」とか「○○円から○○円くらい」なんてほんとの概算で見積もってた事もあるけど、どうせ仕様は決まらないと分かったので今はしてません。フリーランスの指南書には「仕様は最初にきっちり決めて、できれば契約書を交わしましょう」なんてよく書いてあるけど、現実にはそうもいかない場合も多いのは私が甘いんですかね。

「今回予算が無いんでこの値段で。次で返すから」というのもよく聞きます。返してもらうことはめったにありませんけれど。ゼロではないというのが余計に悩ましい。

見積もりのもとになる資料がアバウトな事も多いです。資料が無くてって意味ではなく。口頭でしか説明してくれないけどきっちり仕様が決まっている事もあります。ではなくてほんとに概要だけの資料しか無い場合。逆に何百ページもあるような詳細な仕様書を渡されても読むのも大変だから困るんですが。ときによっては他社の類似製品を提示されて「これを同じ物を作るとしたら」なんて見積もり依頼もあります。こういうのはまだ企画段階で値段感が知りたいだけですので、こちらもそのように回答してますけれど。

見積もりはもちろん適正な金額で出すのが正論なんですが、それだと実際には仕事が取れない事も多い。しかも非常に。それでも安売りはしない、武士は食わねど高楊枝だってのでもいいんですが、武士ではない私としてはとにかく食べていかなきゃならあないので発注してくれそうな金額に収まるように見積もりをいじることもよくあります。そうすれば仕事は取れるんですが、かかる工数よりも安く請けてますから利益は無いか下手すりゃ赤字。もうほんと悩ましい。

消費税について。「自営業の場合は商品じゃないから消費税は取らない」という事をいう人が居ますが事業所得も立派な消費税の対象です。「年商1千万以下は消費税を納めないから取ってはいけない」という人も居ますがこれも誤解。納税の有無と徴収は関係ありません。ただ、世間的な慣習として「自営業は消費税は取らない」という流れはあるような気はしますし、実際私も個人事業の頃は消費税を取ってませんでした。ただ、法律上は消費税を取るか取らないかは請求書にどう書くか(内税か外税か)だけの違いで取っていることには変わりはありません。