私は喫煙習慣がないので当然に禁煙にも縁があるわけではありません。だから、この本を手に取ったのは禁煙のためじゃなくて、禁煙する人はどういう風にするんだろうと思ったから。で、内容だけど、これがかなり面白かった。
禁煙マラソンはメーリングリストを主体にした禁煙サークルなんだけど、筆者が参加した初回は本当にメーリングリストだけで禁煙を行っている。つまり、意思の力だけですな。喫煙習慣は心理的要因と生理的要因の両方があるんだけど、今は禁煙パッチがあるので生理的要因はかなり容易に押さえることができるらしい。なのに初回はそれがなく、心理的要因も生理的要因も両方意思の力だけで押さえているのが、正直すごい。
メーリングリストの抜粋が載っているんだけど、正直言って大の大人が書く文章かと思うくらい情けないこともたくさんあるんだけど、それも実際のところ本音なんでしょうな。生理的要因までも意思の力だけで押さえつける訳だから、当然苦労も並大抵ではないわけだし。それを可能にしたのがメーリングリストでつながった仲間意識というのは美談ではあるし効果もあったんだろうね。もちろん脱落した人もいるしROMだった人もいるだろうから、万能ではないだろうけれど。
禁煙に限らず、意思の力で何かを克服するということ。それを助けるためのコミュニティの力という意味で読んでて参考になった。