「いつテレビを買い替えるか―この大激変を知らねば損をする」西 正

2007/4/30作成

地上波放送がアナログからデジタルに切り替わる事に関する様々について述べた本。と言いつつ、主なテーマは政府批判。繰り返し「国民の知らないところで勝手に決められた」とあるけど、建前としては国民が選んだ国会議員が国会で決めたことなんだから、勝手に決められたというのはどうかと思う。まあ、事実として勝手に決められたに近いことは確かなんだけど、上記のように言い切ってしまうと国民主権を放棄してしまうことになる。建前であろうとも国民主権はだいじだいじ。

ちなみにタイトルになっているテレビの買い替え時期については釣りだったようで、本書のなかではほんの数ページ割かれているだけ。その内容も「出始めの機種には不具合も多いし高いから、機能も値段もこなれた数年後に買うのが妥当」という当たり前すぎる結論だったりする。まあ、タイトルは釣りでテーマは別にあるんだから、まあいいんだけど。

本書では地上派放送が切り替わる事によって、地方のテレビ局が倒産したり、コンテンツ主導になることから放送業界がテレビ局主導から番組制作会社主導になるのではないかといった予言をいくつか書いている。が、残念ながら2007年の今になってもそういう兆候は見えてないように思う。そういう変革もだけど、私としてはネットとの融合が全く語られていないのはかえって不思議なような気がする。いや、こっちも2007年になってもちっとも進展してないんだけども。