子持ち様問題

2024/5/4作成

「子持ち様」分断は誰が引き起こしたのか

この記事では子持ち様が登場したのは法律や制度の整備と、社会状況の変化が理由としています。それ自体は間違ってはいないのですが、理由の半分でしかないのではないかなと思うのでちょっと書きます。

前提として、高度成長期からバブル期くらいまでは子持ち様は存在し得ませんでした。もし存在しても極めてまれなケースだったと思われます。なぜなら当時は女性社員は25歳までに寿退社して専業主婦となっていたからです。男性社員は結婚後も働き続けますが、子供が産まれても家事育児の一切は妻に任せています。なので、子供のお迎えで遅刻早退したり、子供が熱を出したからと急に休むというようなことは無かったのです。

一方、ここ10年20年くらいの間で、社会は大きく変わりました。女性は結婚出産しても仕事を続けますし、共働きも一般化しました。男性女性に限らず、子供の対応で遅刻や早退、急な休みをする社員が増えたわけです。こういった社員が登場するようになったのは、法律や社会が変わったからですね。それがいいか悪いかは別として。

ただ、こうした社会の変化は子持ち様の半分しか言い表していません。もしくは、子持ち様が登場する環境面を説明しただけに過ぎないと思います。というのは、全ての子育て中の社員が子持ち様ではないからです。

これはどこだったかのYahoo!コメントで見かけたのですが、子供が熱を出して急に休む社員の全てが子持ち様ではないと。そこで、自分が急に休むのは当然の権利であって、同僚はそのために尽くして当然であるという態度をとるから、子持ち様と揶揄されると。これは本当にその通りではないかと思います。

これは障害者様も同様ですよね。全ての障害者が障害者様と呼ばれるわけではない。障害者であることを盾にとって、周囲に威圧的な態度をとるから嫌われる。って、別に障害者や子持ちだからって卑屈になる必要があるといってるわけではないんですよ。お互い様なんだから、対等であればそれでいいはずなんですよね。

かつては障害者も子持ちも虐げられていた存在でした。それはそれで問題だったのですが、今は反動もあってか奉られてすぎてしまっていて、それも問題ではないかというのがイマココってところではないですかね。うまく社会が折り合いをつけて、実は上下はなくて対等なんだよねってところで落ち着くようになるといいなぁと思います。